サクに塩を振って水分を抜く。
表面を炙る際は皮目から

鰹(かつお)は鮮度の落ちが極めて早い。特に血合いは鉄分が多く、臭みも出やすい。そんな鰹を美味しく味わうために、東京・四谷の和食店『荒木町きんつぎ』の北村徳康さん(32歳)さんが推奨するのが「たたき+ヅケ」の調理法だ。

調理指導/調理指導 北村徳康さん(『荒木町きんつぎ』料理人)

「鰹は塩を振って水分を出し、表面を家庭用の料理バーナーで炙る。皮と身の間の脂が溶け出し、旨みが増して、香ばしさも出ます」

これで鰹のたたきは完成だが、北村さんは、さらに風味を加える〝ヅケ〟を提案する。簡単に作れるつけダレに、常温で3時間ほど漬け込めば充分だという。

【材料(2人分)】

鰹の皮付き刺身用サク(腹部分)150g、右手前は塩(海塩、適量)。奥はヅケ用のつけダレ(酒、味醂、濃口醤油を1対1対1で混ぜ合わせる)。

【手順】

塩をまんべんなく振り、常温で10分ほど置く。ドリップが出て旨みが凝縮する。

表面を流水で軽く洗ったら、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る。

耐熱皿に乗せ、家庭用の調理バーナーで皮目から表面を強火で炙あぶる。

表面全体を炙ったら、冷蔵庫で20分ほど冷やして「鰹のたたき」の完成。

冷蔵庫から取り出した「たたき」を、つけダレに常温で3時間ほど漬け込む。

つけダレを拭き取って冷蔵庫で20分ほど冷やし、厚めの平造りにして味わう。

「たたきのヅケ」にした鰹。塩、ポン酢、醤油などで味わうと美味。薬味の生姜は、鰹や鯖に特有の臭み成分を消す効果がある。

●荒木町きんつぎ
東京都新宿区四谷3-3-6 アイエス共同ビル3 地下1階
電話 03・6709・8704
営業時間 18時~24時(最終入店)
休業日 不定 要予約。19席。

※この記事は『サライ』2018年12月号の「魚料理大全」特集より転載しました。本文中の年齢・肩書き等は掲載時のものです(取材・文/佐藤俊一 撮影/浜村多恵)。

 

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