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手前は鶏肉の手羽元が入り、奥は豚肉入りのカオソーイ。揚げた麺の香ばしさが食欲をそそる。

手前は鶏肉の手羽元が入り、奥は豚肉入りのカオソーイ。揚げた麺の香ばしさが食欲をそそる。

写真・文/大沼聡子

日本でも最近、よく知られるようになったタイ料理のひとつに、「カオソーイ」という麺料理がある。分かりやすく説明すると、香辛料のきいたカレースープの中華麺、すなわちカレーラーメンである。

発祥はタイ北部の都市、チェンマイ。ゆでた麺の上に、香ばしく揚げた麺が具材としてのっているのが特徴だ。日本人にとって馴染(なじ)み深いカレーとラーメンが融合しているこの料理、好まれないわけがない。

私が本場のカオソーイを求めて、チェンマイを訪れたのは、2013年の11月中旬のこと。タイが雨季から乾季へと移り、一年で最も過ごしやすいときを迎えていた時期だった。

現地のガイドのツリーさんの案内で昼食のために訪ねたのは、創業70年の老舗『カオソーイ・ラムドゥアン』。チェンマイでも一、二を争う人気を誇るという、カオソーイの専門店だ。

具材は豚肉、鶏肉のいずれかがが選べるが、定番は鶏肉。タイ人は軽食を頻繁(ひんぱん)にとる習慣があるため、一人前は日本のラーメンの半分ほどしかない。タイ南部のカレーようにココナッツミルクは入らず、辛さも控えめなのが意外だ。あっさりとしたスープに中華麺がよく合う。

ツリーさんは、カオソーイはチェンマイでならではの料理だと話す。

「隣国ミャンマーの向こうはインド。また、北を向けば中国の雲南省(うんなんしょう)がすぐ近く。そのふたつの国の食文化の影響を受け、誕生した麺料理なんです」

コクのあるスープは濃厚なのにしつこさがなく、カレーうどんを食べているようなほっとする味。付け合わせのもやし、高菜漬け、小さな紫玉ねぎをのせながら食べると、またいっそう美味しさが増す。

隣のテーブルに座っていた観光客はよほど気に入ったのか、3杯も丼を重ねていた。

写真・文/大沼聡子
※本記事は「まいにちサライ『食いしん坊の味手帖』」2013年12月16日掲載分を転載したものです。

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