国立新美術館は、2015年開催の「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展を皮切りに,同展をタイ、ミャンマーに国際巡回するなど、日本が誇る独自のカルチャーを世界に発信する取り組みに力を入れてきました。
2018年には「ジャポニスム 2018:響きあう魂」の事業の一環として、パリにおいて『MANGA⇔TOKYO』展を開催。来場者3万人を超える盛況を呈し、高い評価を得ました。このたび、同展が装いも新たに凱旋展示をしています。(11月3日まで)
本展の見どころを、ゲストキュレーターを務める森川嘉一郎(明治大学 国際日本学部准教授)さんにうかがいました。
「東京の巨大な都市模型を会場の中央に設置し、それを取り囲むように、東京を舞台とする93タイトルものマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品のさまざまな場面を、550点もの原画などで展示しています。フィクションの場面と現実の街を照らし合わせながら回遊することで、フィクションと場所との多様な結びつきを感じ取るという、それまでにない体験を提供します。
日本では、実在する場所、とりわけ東京を舞台とするマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品が数多く作られてきました。それらの作品が、いかに東京という都市の特徴や変化を映しだしてきたのか。逆に、現実の東京が、いかにフィクションの成立基盤となってきたのか。さらにそれらフィクションやキャラクターが、現実の東京にいかなるイメージを重層的に付与し、作用をおよぼしてきたのか。マンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品に映しだされ、さらには人々の記憶の中で重ねあわされた<東京>の魅力を浮かびあがらせます」
世代を超えて楽しめる新しいスタイルの展覧会です。ぜひ会場に足をお運びください。
【開催要項】
MANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020
会期:2020年8月12日(水)~11月3日(火・祝)
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03・5777・8600(ハローダイヤル)
展覧会公式HP:https://manga-toshi-tokyo.jp
開館時間:10時から18時まで(入場は閉館30分前まで)
休館日:火曜日(ただし9月22日、11月3日は開館)、9月23日(水)
料金:HP参照 ※オンラインでの日時指定観覧券が必要
アクセス:HP参照
取材・文/池田充枝