すっかり定着した感のあるテレワーク。だが、テレワークにはマネジメントの難しさ、という弊害があるという。マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp/)」から、テレワークの課題を知り、テレワークのマネジメントを成功させよう。

* * *

2020年から続くコロナ禍において、急速に広まったテレワーク。テレワークにはメリットが多くある一方、デメリットも存在します。その代表格と言えるのが『マネジメントの難しさ』です。

では、テレワークを始めたばかりの上司がよく陥るマネジメントの課題には、一体どんなものがあるのでしょうか?

テレワークで陥る6つの課題

テレワークで陥るマネジメントの課題は主にこの6つです。

1.コミュニケーション不足によって心理的安全性が低下する
2.部下がサボっていると感じてしまう
3.メンバーのモチベーションが下がる
4.評価しづらい
5.会議が増えてマネジメントの時間がない
6.トラブル対応の速度が遅れる

それぞれを順に解説します。

1.コミュニケーションが不足する

テレワーク中は顔を直接合わせて仕事をするわけではないため、どうしても何気ない会話が減ってしまいがちです。

もし、同じオフィスで働いていれば
「昨日のドラマ〇〇が面白かった」
「最近〇〇を買ったんですよ」
など、日常的な会話もしやすいでしょう。

しかし、テレワーク下では、ビデオ通話やチャットなどを活用したとしても、自宅でひとり黙々と仕事をする時間がどうしても多くなります。そのため、何気ないコミュニケーションがめっきりと減ってしまうのです。

こういった何気ないコミュニケーションの不足は、不安を感じた時や迷いを持った時に、気軽に相談することが難しくなってしまうという状態につながります。この状態が続くと部下は次第に孤独を感じるようになり、その不安からストレスを抱えてしまうことも少なくありません。

2.部下がサボっていると感じてしまう

テレワーク中では、ビデオ通話やチャットでのやりとりが主流になります。
そのため、メンバーの状況がすぐに確認できません。

部下の様子が直接わからないため、チャットなどの反応が遅いと、「さぼっているのでは」と不安に感じてしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし、業務に集中している場合もあれば、やむを得ず席を外している場合もあり、すぐに反応できないことも、本来なら大きな問題ではありません。

部下を管理する責任のある上司が不安に感じるのは当然ともいえますが、上司が部下に対して疑心暗鬼になってしまえば、チーム全体の雰囲気が悪くなってしまう可能性もあります。これは報連相がしっかりとルール化されていないことが大きな原因です。

3.メンバーのモチベーションが下がる

「テレワークでは仕事のモチベーションが上がらない」そんなニュース記事を見たり、実際に部下の声を聞いたりすることがありませんか?

オフィスでの働き方とテレワークでの働き方があまりに違うため、「自分が望んでいた働き方ができなくなった」と部下が感じてしまうことがあります。

理想と現実のギャップの大きさに嫌気がさして、仕事に対するモチベーションが下がる可能性があります。センシティブな感性を持つ部下には、特に気を使ってしまう上司の方も多いことでしょう。

ただ、テレワークでない時の部下のモチベーションはどれほど高かったのでしょうか? 本質的な問題は別のところにあるのかもしれません。

4.評価しづらい

テレワーク中は人事評価が難しいといわれています。

なぜなら、ほとんどの人事評価では日頃の勤務態度を評価の一部に含めていることが多いからです。テレワーク下においては部下の状況や行動プロセスを把握しにくいため、従来の評価制度では評価が難しいのです。

評価のしづらさは、部下の日常が見えにくいテレワークならではといえます。しかし、ビジネスにおいて大切なのは結果。見えない日常の行動ではなく、結果だけを評価すれば、評価しづらいという問題は解決できます。

5.会議が増えてマネジメントの時間がない

テレワークによりオンライン会議が主流になりました。

オンライン会議は気軽に会議が行えるメリットがあります。しかし、気軽に会議を開催できる反面、マネージャークラスの方は「とりあえず会議に入れとけ」とスケジュール登録されることが増え、「会議で1日が終わってしまった」ということもよくあるようです。

米ZoomのCEOも、自身が「Zoom疲れ」を経験しているといった記事が見受けられます。
(参考:米ズームCEOも「ズーム疲れ」:ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 https://jp.wsj.com/articles/even-the-ceo-of-zoom-says-he-has-zoom-fatigue-11620169770

今までに参加していなかった会議が増えてしまうと、部下をマネジメントする時間が減ってしまいます。オンライン会議も重要な仕事ではありますが、そのためにマネジメントが疎かにならないような工夫が必要です。

6.トラブル対応の速度が遅れる

上司はチームメンバーの状況把握や迅速な対応が必要です。

しかし、何かのトラブルが発生した場合、

・至急、関係者を集める必要がある
・一刻も早い顧客対応が必要である
といった状況に対して、テレワーク下において対応速度が遅れる場合があります。

こうした緊急事態に際しても、いつも通りの迅速さで対応しなければなりません。初動が遅れれば、上司の責任問題となりかねません。ただし、こうした問題の本質は、担当と責任が明確化していないことにあります。担当と責任が明確であれば、テレワーク時であっても初動が遅れることはないでしょう。

テレワークによる7つの課題は、マネジメントによって解決・改善することが可能です。

しかしテレワークをしているマネージャーは
・テレワークは部下の管理が難しい
・具体的なやり方がわからない
そんな疑問や不安を持っている方が多いのではないでしょうか。

テレワークを成功させるマネジメント、4つのポイント

テレワークの課題についてご理解いただいたところで、次はテレワークのマネジメントを成功させるポイントを紹介します。

テレワークを成功させるマネジメントのポイントは以下4つです。

1.定期的なコミュニケーションを図る
2.評価制度の見直し
3.マネジメントの時間を確保する
4.新人教育の準備を入念にする

それぞれを順に解説します。

1.定期的なコミュニケーションを図る

チームのメンバーとは定期的なコミュニケーションを図るようにしましょう。

・短い朝礼や昼礼をオンラインで行う
・定期的な報告会議をオンラインで行う

など、部下とのコミュニケーションを定例化すると良いでしょう。

ポイントとしては、上司があれこれ聞くのではなく、部下から報告や連絡が活発に行われるようにすること。

・聞かないと答えてくれない
・質問しないと忘れていることがありそう

そんな心配をする上司の方も多いかもしれませんが、だからと言って上司から投げかけるだけのコミュニケーションでは、意味がありません。

自分の仕事をしっかりと管理して、報連相を漏らさないようにすることはテレワークかどうかにかかわらず重要なことです。定期的なコミュニケーションの場を設けて、部下が報連相するタイミングを定例化しましょう。

2.評価制度の見直し

明確な数値目標を与え、結果のみを評価するようにしましょう。

テレワークでよく心配されることが、部下のモチベーション管理です。しかしそれは、「目標の達成度合いで評価される」という明確な基準を設けることで改善される可能性があります。

テレワークで問題になるのは、従来からの目標設定や達成指標があいまいなため、その達成度がわかりづらく、部下の仕事を評価する上司も、また自分自身の仕事を管理・評価する部下自身も、どう評価すればいいのか、その基準や良し悪しの判断がつかないことです。

評価制度の見直し方法としては

・明確な数値目標を設定する
・目標達成度や結果のみを評価する
・プロセスや勤務態度などは評価しない
などが挙げられます。

明確な数値目標を与え、結果のみを評価すればマネジメントもしやすくなります。部下も自分の目標や進捗の管理がしやすくなるのです。

3.マネジメントの時間を確保する

マネジメントの時間なくして、マネジメントが成功する訳はありません。マネジメントにどのくらいの時間が必要なのかはチームの規模にもよります。

マネジメントが煩雑になり、時間も増える要因としては、上司自身が過剰に部下の様子を聞きに行ったり、仕事のやり方に口をはさんだりと過干渉になっていることが挙げられます。

それを防ぐためには、

・部下に目標を与え、任せる
・部下から報連相を欠かさず行う

このようなことを習慣化する必要があります。また、上司自身の無用な会議も無くす必要もあるでしょう。

そもそものマネジメント方法を正しいものにすれば、時間は十分にあるはずです。

4.新人教育の準備を入念にする

新人教育の準備を入念にしておきましょう。テレワーク中の新人教育では、新人が自習ばかりになり、孤独を感じる時間が多くなりがちです。

そのため、

・課題を与えるならどんなものがいいか
・進捗確認をするならどのように行うか
・日報を提出してもらうならどんなフォーマットがいいか
など「何をさせるか」と「どのようにさせるのか」をある程度考えておく必要があるでしょう。

大切なのは、新人が孤独を感じずに、通常業務の時と同様に会社の雰囲気になじみ、成長して業務ができるようになることです。また、定期的に報告や連絡を上げてもらう仕組みを作ることも大切です。

まとめ

テレワーク下でのマネジメントは難易度が高いように思えますが、決してそんなことはありません。初めは慣れない状況に戸惑うことがありますが、テレワークマネジメントによくある課題と成功させるポイントを押さえていれば、変化した働き方においても業務をスムーズに行えるようにチームメンバーを管理し、導くことは可能です。むしろ、テレワークマネジメントを成功させれば、業務効率が格段にアップして、今まで以上の成果も期待できるでしょう。

【この記事を書いた人】
識学総研 編集部:株式会社識学内にある、コンテンツを企画・制作する編集部です。 『「マネジメント」を身近に。』をコンセプトに、マネジメント業務の助けになる記事を制作。

* * *

いかがでしたか? テレワークマネジメントを成功に導くことで、成果の向上に結び付くということがおわかりいただけたでしょうか。
引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/

 

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