
マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」では、会社での会議の成果は、適切な会議の参加者にある、としています。本記事で会議を成功に導くための知見を得ましょう。
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会議の種類と目的
まず、会議の分類について明確にする必要があります。会議は大きく分けて3つの種類があります。
・情報共有の会議
主に上司から部下に必要な情報を伝える会議のことです。ポイントは次の2点です。
1.全社ルールの変更追加など、共有が必要なこと
2.部下が責任を果たす上で知る必要があること、もしくは、責任範囲が増減すること
・話し合いの会議
ブレインストーミングやアイデアだしの会議など。ポイントは、会議オーナーが方向性や枠組みなど全体ルールを事前に指し示し、決めてある状態ではじめることです。それがないままで始めると、ロスタイムが多くなります。
・進捗報告の会議
目標に対する進捗を確認する会議のことです。部下から上司に説明する形式をとります。進捗会議は“議論”の場と誤解している場合が多いですが、“約束の場”であることをしっかりと認識する必要があります。
つまり、(1)未来の結果(=次の目標)と(2)行動変化(=どのようにしてその目標に到達するか)を部下が上司に対して約束をします。
これらの会議の種類分けがなされていなかったり、混同して行われたりする場面が多く見られます。まずは、この会議はどのような種類の会議で、何を目的としているのかを明確に見極め、もし同時に複数の種類の会議が行われようとしていた場合、分けて実施することをお勧めします。
なぜなら、会議の種類や目的によって参加を要請する人が変わってくるためです。これを行うだけでも、無駄な人が参加していたということは避けることができるからです。
責任と権限の明確化
会議に招集される者は、その会議の目的に貢献できる役割を果たす必要があります。 責任と権限はイコールにすべきですが、責任と権限の明確化は、参加者がどこまでの意思決定を行えるか(=決めねばならないか)、またはどの程度まで影響を与えることができるかを定義します。責任を持たない参加者が権限のないところに意思決定をしたり、逆に責任・権限を持つ者が参加しない場合、会議は本来の目的を果たせません。責任・権限の範囲を明確にすることで、会議がスムーズに進行し、重要な決定が迅速に行えるようになります。
会議の参加者を決める基準
参加者を決める基準としては、以下のポイントが挙げられます。以下は特に「進捗報告の会議」について具体的なやり方を取り上げます。
・結果に対して責任を持つ人
会議で決定した事項を実行に移す責任を負う人物。つまり、実行責任者=部下側にあたります。この人が欠けていると、決定しても実行に移せず、会議の成果が活かされません。
・決定権を持つ人
会議での議題について最終的に意思決定を行う責任を負う人。これにはリーダーや上司が該当します。上司は部下の責任を包含する関係であるので、実行責任者=部下側の責任に対して管理責任が発生している人を招集します。
・必要な情報を提供できる人
マスト条件ではありませんが、会議で必要な情報を提供する者や、特定の領域に関する知識を持つ専門家が参加しても良いです。これらの参加者が不足すると、意思決定が不完全なものになりやすいです。しかし、役割はあくまで知識の共有であり、意思決定を行う権限はありません。
役割がない人が参加するリスク
役割を構成する要素は責任と権限ですが、意味がない参加者がいると、会議の進行に無駄な時間を費やし、重要な決定が遅れるなど、以下のような問題が生じる可能性があります。
・議論が脱線する
重要でないトピックや、決定権のない参加者が関わることで、会議が本来の目的から逸れることがあります。
・時間の浪費
無駄な議論や意思決定がない状況が続くと、会議にかかる時間が無駄になり、組織全体の効率が下がります。
効果的な会議の実現に向けて
会議を効果的にするためには、会議の前に「誰が必要か」を慎重に選定することが大切です。以下のステップが有効です
・会議の種類/目的を明確にする
その会議の種類と目的を明確にし、それに必要な参加者を特定します。
・明確な役割を持った参加者を招集する
各参加者が会議でどのような役割を果たすのか、何を期待されているのかを事前に確認します。
・事前準備を促進する
参加者が会議の内容に関して適切に準備できるように情報を事前に共有し、スムーズな進行をサポートします。
まとめ
効果的な会議運営には、適切な参加者選定が不可欠です。会議の種類(情報共有、話し合い、進捗報告)を理解し、各参加者の責任と権限を明確にすることが重要です。参加者は、結果に責任を持つ人、決定権を持つ人、必要な情報を提供できる人を基準に選ぶべきです。不適切な参加者がいると、議論の脱線や時間の浪費につながります。適切な参加者選定により、会議の質が向上し、組織全体の効率が高まります。会議の目的に沿った参加者選定が、成功への鍵となります。
【この記事を書いた人】
識学総研 編集部/株式会社識学編集部です。『「マネジメント」を身近に。』をコンセプトに、マネジメント業務の助けになる記事を制作中。3,000社以上に導入された識学メソッドも公開中です。
引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/
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