坐骨神経痛では、ふくらはぎの痛みやしびれが多く見受けられます。
薬や湿布などで良くならなくても、簡単なストレッチで症状が治まる場合があります。
その方法を解説します。
坐骨神経痛では様々な症状がおこりますが、つらい症状のひとつとしてふくらはぎの痛み・しびれがあります。
・歩くとだんだんふくらはぎが痛くなってくる
・ずっと立っているとふくらはぎに痛みやしびれが出てくる
・座っているとふくらはぎに痛みやしびれが出る
・夜寝ていてもふくらはぎが痛い、しびれる
というようなケースが見受けられます。
このような症状で病院に行くと、鎮痛薬や湿布などが処方されて様子をみましょう、ということになります。
画像検査をおこなうと、腰椎にヘルニアや狭窄やすべりなどが見つかり、それが原因とされるかもしれません。
しかし薬や湿布を使っていても、なかなか効果が出ないことも少なくありません。
あまり良くならなければ、原因となるヘルニアや狭窄などの手術をすすめられることも。
手術には抵抗もあり、さりとて痛みは治したい、なんとか良い方法はないかとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
ふくらはぎの痛み・しびれの原因のひとつは筋肉
ふくらはぎの痛みやしびれの原因は様々なものがありますが、そのひとつに筋肉が原因となっている場合があります。
次の画像をご覧ください。
これは、ふくらはぎの痛みやしびれの原因となる筋肉の発痛点=トリガーポイントの典型的なパターンです。
発痛点=トリガーポイントとは、ごく簡単に説明すると、なんらかの原因で筋肉の一部が過度に緊張してしこり状に固まってしまい、痛みやしびれを起こしてしまうポイントのことです。
先ほどの図でいうと、✕印が発痛点=トリガーポイントの好発部位で、そこから赤い範囲に痛みやしびれなどの症状をおこしてしまいます。
この図では、腓腹筋やヒラメ筋、後脛骨筋などのふくらはぎの筋肉にトリガーポイントが生じると、その周囲からかかとや足の裏にまで痛みやしびれが出ることがわかります。
どうでしょう? あなたのふくらはぎの痛みやしびれと似ているパターンがあるでしょうか?
トリガーポイントについては、本連載ではおなじみですが、より詳しくお知りになりたい方は、以下のページもご覧ください。
腰痛・坐骨神経痛のトリガーポイント治療(https://re-studio.jp/wp/triggerpoint/)
腰痛や坐骨神経痛の原因にもなる「トリガーポイント」とは?【川口陽海の腰痛改善教室 第103回】(https://serai.jp/health/1104848)
ふくらはぎの痛みしびれを改善するストレッチ
ふくらはぎの痛みやしびれの原因が筋肉の発痛点=トリガーポイントであるならば、ストレッチで改善する可能性があります。
ふくらはぎのストレッチにも多くのやり方がありますが、筆者の腰痛トレーニング研究所(https://www.re-studio.jp/)では、次のような方法をおすすめしています。
自宅で出来る! 腰痛トレーニングより(https://re-studio.jp/dvd/)
このストレッチでは、バスタオルなどを使用します。
仰向けになり、バスタオルを片脚のつま先あたりにかけます。
そこからバスタオルを引っ張るようにしながら膝を伸ばし、脚を上に伸ばしていきます。
タオルをつま先にかけるほど強くストレッチがかかりますので、タオルをかける位置や脚の伸ばし方で適度に伸びるように微調整してください。
適度に心地よくアキレス腱からふくらはぎ、膝裏などが伸びたところで止め、楽に深呼吸しながら力を抜き、30秒~1分ほど伸ばします。
終わったら脚をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。
これを片側2~3回ずつおこなってみましょう。
※ご注意)痛みのためにこのストレッチができない、またはこのストレッチをすると症状が悪化する時はやめてください。
この方法が難しい場合は、次のように立っておこなう方法も有効です。
いわゆるアキレス腱のストレッチのポーズです。
壁などに両手をつき、脚を前後に大きく開いて両手で押すようなポーズですが、この時に後ろ足の踵をしっかりと床につけるようにすることで、ふくらはぎをストレッチすることができます。
足の前後の開く幅や壁を押す強さでストレッチ感が変わりますので、しっかりとふくらはぎが伸びるところで止め、楽に深呼吸しながら力を抜き、30秒~1分ほど伸ばします。
終わったら脚をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。
これを片側2~3回ずつおこなってみましょう。
※ご注意)痛みのためにこのストレッチができない、またはこのストレッチをすると症状が悪化する時はやめてください。
以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。
1日5分で腰痛を解消! 寝たままできる効果絶大な5つのストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第117回】(https://serai.jp/health/1141936)
太もも裏の痛みを取るツボ〈ハムストリングのトリガーポイント〉とストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第116回】(https://serai.jp/health/1137294)
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拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
お読みいただけると幸いです。
文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616 http://www.re-studio.jp/index.html