取材・文/ふじのあやこ
家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。
株式会社ネットマイルでは、お金の借り方や稼ぎ方についてのアンケート調査を実施(実施日:2023年11月25日~11月29日、有効回答数:1000人、インターネット調査)。アンケート調査によると、年代別では30代が最もお金を借りることを検討していること(全体の40.2%)、雇用形態別では安定収入のある正社員のほうがお金を借りることを検討していること(全体の56.1%)がわかった。また、お金を借りることを検討したときの必要な金額は、「10万未満」が28%と最も多かった。
今回お話を伺った加奈子さん(仮名・41歳)は、29歳のときに結婚して、現在は夫と子ども、そして義母、義姉との5人暮らしをしている。義姉の借金と精神疾患により、家族3人で暮らすよりもお金がかかっているという。
実家では問題児の姉が優先されていた
加奈子さんは大阪府出身で、両親と2歳上に姉のいる4人暮らし。学生時代は少しやんちゃだった姉を反面教師として、自身のことを真面目だったと振り返る。両親もそんな姉にばかりに執着していて、加奈子さんを構ってくれたことは少なかったという。
「姉はちゃんと学校には行っていたけれど、髪を明るくしたり、当時はスカートの丈や爪なども厳しい校則があったのですが、それを守っていなかったので先生に目を付けられていました。私はそんな姉を見て、先生になんて気に入られたほうが学校生活は楽になるということ学び、いい子を装っていました。目立つ行動も私は嫌いだったので。
家には何度も姉のことで先生から連絡が入っていて、親はそんな姉とケンカばかりしていました。そのときの私は巻き添えを食らいたくない思いから自室に籠っていたので、家族団らんで過ごすことは少なかったです」
そんな問題児だった姉は短大に進学するも、1年のときに妊娠して退学。その後は結婚して3児を授かるも30歳の手前で離婚して、実家に出戻っているとのこと。
「姉は高校生のときに付き合っていた社会人の男性と授かり婚をして、子どもを3人授かるも子どものことで夫と不仲になって離婚になりました。姉は離婚と同時に実家に戻ってきて、そのとき私はまだ実家に居たのですが、親から姉とその子どもが来るから出て行ってと言われ、予定外に一人暮らしをすることになりました」
1人暮らしを始めたとき、加奈子さんはフリーターだった。大学を卒業後に一度働いたものの、2年弱で退職してワーキングホリデー制度を利用してオーストラリアへ。帰国後は実家でゆっくりと仕事を探していたときだったという。
「貯金も少ししかなかったときだったので、初期費用は親が出してくれました。でも、生活費は出してくれないから、生活はギリギリでしたね。でも、借金はいけないものという価値観が私の中にあって、1日1食など、生活を切り詰めてなんとかやりくりをして、正社員の仕事を見つけることもできました」
【妊娠後に義母から同居を提案される。次ページに続きます】