NISA(少額投資非課税制度)を利用するにあたっては、いくつかのルールが定められています。上手にNISAを利用するためには、ルールについて理解しておくことが重要です。そこで今回は、NISAを利用する際のルールや、旧NISAの非課税期間が終了した場合どうなるのかについて詳しくみていくことにしましょう。
100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。
目次
NISAを利用する際のルールとは
NISAの投資対象商品
旧NISAの非課税保有期間が過ぎたらどうなる?
まとめ
NISAを利用する際のルールとは
はじめに、NISAを利用する際のルールについて解説していきます。
NISA口座開設
NISA口座を開設できるのは、その年の1月1日時点で18歳以上、かつ日本に住所がある人が対象です。また、NISA口座を開設する際は、以下のルールがあります。
・NISA口座の開設には、申込手続きが必要です。
・NISA口座1人1口座までで、複数の金融機関に開設することはできません。
ただし、旧NISA口座と新NISA口座は別勘定となりますので、旧NISA口座と新NISA口座が異なる金融機関で開設されているといったケースもあります。
投資対象商品
投資対象商品は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」それぞれに定められているため、それぞれの対象商品の中から選択して購入する必要があります。
非課税保有限度額
「つみたて投資枠」は、年間120万円。「成長投資枠」は年間240万円とそれぞれに、年間投資枠が設定されています。また、非課税保有限度額として1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円が限度となっています。限度額を超えた投資は、課税口座で行なうことになります。
非課税保有期間
新NISAは、非課税保有期間が無期限となりましたが、旧NISAは一般NISAで5年、つみたてNISAで20年と期限があります。非課税保有期間が終了する際には売却するか、または課税口座に払い出して継続して運用するかを選択することになります。
損益通算
例えば、NISA口座で投資信託に投資した場合、「普通分配金」と売却時の「譲渡益」が非課税になります。しかし、他の口座(一般口座や特定口座)で発生した譲渡損等との損益通算はできません。
NISAの投資対象商品
前述のとおり、投資対象商品は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」それぞれに定められているため、それぞれの対象商品の中から選択して買付する必要があります。
<つみたて投資枠で購入できる商品>
つみたて投資枠で購入できる商品は、長期・積立・分散に適している投資信託を金融庁が厳選しているということが特徴。主に「バランスファンド」や、「株式に投資する投資信託」で構成されています。
バランスファンド
バランスファンドとは、株式や債券など、一つの資産に偏ることなく、複数の資産や市場にバランスよく投資する投資信託のことをいいます。例えば、先進国の株式と国内の債券を組み合わせたり、外国の株式と債券、国内の株式と債券の4種類を組み合わせたりするなど、その構成はさまざまです。複数の資産に分散投資することで、リスクを抑えた資産運用が可能になるのです。
株式に投資する投資信託
株式に投資する投資信託はその名のとおり、主に株式で構成された投資信託になります。
<成長投資枠で購入できる商品>
成長投資枠で購入できる商品は、「バランスファンド」や「株式に投資する投資信託」のほか、「債券に投資する投資信託」や「リート(不動産投資信託)」、国内/海外の個別株式やETFの買付も可能です。また、一括での買付や投信積立、米国株式定期買付も利用できるなど、自由度が高いのも特徴です。
債券に投資する投資信託
債券を中心に運用される投資信託のことです。債券ファンドの中でも、日本の国債を中心に運用するもの、海外の国債を中心とするもの、社債で運用するものなどさまざまなファンドがあります。
リート(不動産投資信託)
リートとは、投資者から集めた資金で不動産への投資を行ない、そこから得られる賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資者に配当する商品で、一般的に「不動産投資信託」とよばれています。
国内/海外の個別株式
国内/海外の企業の個別の株式を買付します。配当金や株主優待を得られる銘柄もあり、目的別に選定したり、成長性の高い企業の株式を選定したりするため、相応の知識や経験が求められます。
ETF
ETFとは、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託です。
旧NISAの非課税保有期間が過ぎたらどうなる?
新NISAは、非課税保有期間が無期限となりましたが、旧NISAは一般NISAで5年、つみたてNISAで20年と期限があります。では、非課税保有期間が終了するとどうなるのでしょうか?
課税口座に払い出し
旧NISA口座での買付は終了しているため、非課税保有期間が終了する際には売却するか、課税口座(特定口座や一般口座)に払い出して継続して運用するかを選択することになります。一般的には非課税保有期間が終了したら自動的に課税口座へ払い出しされますので、NISA口座で得た分配金や譲渡益を非課税で受け取りたい場合、非課税保有期間が終了する前に売却の手続きが必要となります。
旧NISA口座で運用を続けている人は、期間の終了時期について忘れないように注意が必要です。新NISA口座への移行も自動的ではありません。基本的に旧NISAと新NISAは別物と考えておくと良いでしょう。
まとめ
今回は、NISAを利用する際のルールや、旧NISAの非課税期間が終了した場合どうなるのかについてみてきましたが、いかがだったでしょうか? NISAは、資産運用する人にとって必須アイテムと言えますが、投資にはリスクがあります。ルールを理解した上で、非課税のメリットを生かすために上手にNISAを活用していきましょう。
資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行なわれています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか?
さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。
●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)
株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)
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