文・写真/梅本昌男(海外書き人クラブ/タイ・バンコク在住ライター)

フィリピンで大人気のファストフード店の『ジョリビー』。

皆さんご存知の『マクドナルド』。世界最大規模のファストフードチェーンとして100か国以上で約4万店を展開しています。日本でも1971年に銀座で1号店がオープン。私の子供時代、「ウインピー(ポパイの中のキャラクター)が食べているハンバーガーってこれなんだな!」と初体験をしたのを覚えています。

各国で圧倒的なシェアを誇るモンスターチェーンの『マクドナルド』ですが、苦戦を強いられている国があります。それはフィリピンです。なぜなら、そこには地元民に愛される『ジョリビー』があるからです。

1975年に創業したファストフードチェーンの『ジョリビー』。フィリピンでマクドナルドが約700店に対して約1200店と大幅に差をつけて1位の人気。

マスコットの“ジョリビー”が店の至る所に。

どうして、そんなに人気なのか? まず実食をしてみることに。某ショッピングモール内にある『ジョリビー』の1店舗を訪れてみました。店の前で出迎えてくれるのは蜂をモデルにしたマスコット。店名そのまま“ジョリビー(楽しい蜂)”というキャラクターです。マクドナルドの“ドナルド・マクドナルド”のような存在ですね。何とアニメ化もされています。

『ジョリビー』の人気ぶりが伺える店内。

店内に入ります。平日の午後だというのにレジに並ぶお客さんは絶えず、客席も3分の2くらい埋まっています。同じモールにマクドナルドやバーガーキングもあるのに……。

少し特徴があるメニュー一覧。

メニューをチェックしてみます。ファストフード店定番のハンバーガーの他、フライドチキンがありますがグレービー(肉汁)のかかったライスを付けることも出来たり、スパゲティがあったりするのが珍しいですね。

キッズミールはオモチャ付き。

キッズミールもあって、『マクドナルド』のキッズミール同様におまけのオモチャ付きです。

さて、お味の方はいかがでしょうか? まず、ハンバーガー。野菜類がまったく入っていないシンプルな物で、見かけ通りの味です。フライドチキンもまあ普通、グレービーのかかったライスも想像がつく味です。そして、スパゲティ。アルデンテとは程遠いアメリカンなフニャフニャ系の麺に甘めのミートソースがかかっています。

いたって普通のハンバーガー(40フィリピンペソ=約96円)。

3品食べての個人的な感想は「不味くはないが美味しくもない。癖がなくて万人向けの味だなあ」でした。

では、それでは地元の人たちに彼らが『ジョリビー』を支持する理由を訊いてみましょう。

「それはフィリピン人の味の好みにあっているからよ。アメリカ系のファストフード店に比べて味付けが違うのよ、どう違うか説明は難しいけど」と友人ファミリーのママ。息子さんと娘さんもやはり『ジョリビー』が好きだそうです。

グレービーが特徴的なチキンライス(82フィリピンペソ=約197円)。

「ボリュームだよ! フライドチキンとライスのセットは、ライスとグレービーがお代わり無制限なんだぜ。それで、僕のお腹はこんな風になったんだ(笑)」と20代のポッチャリ系青年。

値段ですが、『マクドナルド』と比べると少し安いかなという感じの設定です。

甘めの味付けのスパゲティ(59ペソ=約142円)。

自国民に合わせたメニューと味付け、ボリューム感&お得感が『ジョリビー』の人気の秘密のようです。

文・写真/梅本昌男
(タイ・バンコク在住ライター)。タイを含めた東南アジア各国で取材、JAL機内誌アゴラなどに執筆。観光からビジネス、グルメ、エンタテインメントまで幅広く網羅する。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」(https://www.kaigaikakibito.com/)会員。

 

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