50歳までに一度も結婚したことがない人の割合を示す「生涯未婚率」という言葉が話題だ。これは、国立社会保障・人口問題研究所が、5年に一度の国勢調査に基づいて公表している数値で、最新の2020年調査によると生涯未婚率は男性が28.25%、女性が17.85%だった。1985年のデータを見ると男女ともに5%未満。結婚を選ばない人が増えている。

今回の依頼者は、会社員の道子さん(55歳)だ。「婚約者の素行調査をお願いしたいのです」と、キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんのもとに来た。

帰国したら80代の母親に事実婚の彼氏がいた衝撃

道子さんは55歳という実年齢にしてはとても若々しい女性です。胸もヒップもキュッと上がっており、サーモンピンクのワンピースが滑らかに体にフィット。笑顔がとても優しく、愛らしいタイプの外見をしています。

職業は外資系の美容関連メーカーに勤務しており、15年ほど、アメリカの本社に勤務して、現地に住んでいたそうです。

「3年前、コロナのときに帰国しました。私は一人娘なので、当時77歳の母親を安心させたかったんです。母とはずっと親子仲が悪くて絶縁状態でした。最後に親孝行でもしようと、日本支社勤務の異動希望を出し、アメリカの家を引き払い、帰ってきてあげたんです。すると、実家には知らないオジサンが。母は私に何も言わず10歳も年下の男と事実婚をしていたのです」

母と男性が出会ったのは8年前、ある著名人を交えたワイン会だったそうです。お互いにそこそこの資産家ということもあり、入籍はせずに一緒に暮らしているのみ。

「男の方の財産額はショボいんですが、死別した妻との間に3人の子供がいるんです。金のことで揉めそうだったので、お互いに入籍はしなかったそうです。男は母を看取る気らしく、弁護士と相談しながら、入院の身元保証人や身元引受人になることを決めていました。母から“あなたに迷惑はかけないし、帰ってこなくてもよかったのよ”言われてしまったのです」

せっかく実家に帰って来たのに、そこに居場所はなかった……。

「あの時はショックで真っ白になりました。アメリカに帰ろうにも、コロナで再入国するのは不可能ですし、日本勤務ですし。仕方がないので狭い東京のマンションでステイホーム生活をしていました。すると、“このまま孤独死するんじゃないか”と不安になり、私も婚活をすることにしたのです」

【結婚相談所とマッチングアプリで全敗……次のページに続きます】

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