大根に含まれている消化を助ける酵素は、加熱すると失われてしまう
冬は大根が美味しい季節だ。みずみずしく甘味が増し、風呂吹き大根、鰤大根(ぶりだいこん)、おでんなど、冬の味覚に欠かせない素材となっている。
寒い季節は熱々の大根を食べたくなるが、生の大根も食するようにしたい。大根に豊富に含まれているアミラーゼなど消化を助ける酵素は、加熱すると失われてしまうからだ。
スティックやスライスしてサラダで食する方法もあるが、大根おろしにすれば、焼き魚や玉子焼き、天つゆの薬味など用途が広がるので、食べる機会を増やすことができる。
特に年末年始に飲み過ぎたり食べ過ぎたりして胃腸が疲れ気味の人は、大根おろしを積極的に摂るようにしたい。
大根には辛味の元になる成分も含まれていて、おろすことで細胞が壊れて辛味に変わる。この辛味の元は大根の先端部分に多く含まれているため、辛いのが苦手な人は葉に近い部分を使うようにする。
また、すりおろしてから30分程で辛味成分は半分以下になるので、時間をおいてから食すると辛味が薄らぐ。
文/諸井里見