最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもありますよね。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第27回目は、「幕間」をご紹介します。文字通り、幕と幕の「間」を指した言葉です。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「幕間」はなんと読む?
「幕間」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 歌舞伎や演劇が好きな方はよく耳にする言葉かもしれません……
正解は……
「まくあい」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「演劇で、一幕が終わって、次の一幕が始まるまでの間。舞台に幕が下りている間」と説明されています。映画館の、前の映画と次の映画の間も「幕間」です。そこで流れている映像を「幕間映像」と呼びます。
漢字につられて「幕間」を「まくま」と読んでしまうことも多いですが、誤読に当たります。
■「幕間」の漢字の由来とは?
「幕間」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「幕」は「芝居の幕」を、「間」は「時と時のあいだ」のことを指します。よって、「幕間」は「芝居の一幕が終わって次の幕が始まるまでの間」ということになります。
「幕間」は、「幕の合い間」が省略されてできました。放送では、誤読を防ぐために「幕あい」という表記が優先されています。
■「幕間」の「間」と同じ読み方、「間の手」は何と読む?
「幕間」において「間」は「あい」と読みます。この読み方は、常用漢字表にはない訓読みとなるため、馴染みがないかもしれません。しかし、この「あい」という読み方を使った言葉がもう一つあります。それが「間の手」(あいのて)です。
「合いの手」と書くことが多いですが、「間の手」「相の手」という表記もされます。「間の手」を、「相手の動作や話の“合間に”挟む別の動作や言葉」と捉えるとイメージしやすいですね。
「幕間」と同様、「間の手」も「あいだのて」と読まずに「あいのて」と読むようにしましょう。
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いかがでしたか? 今回の「幕間」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 常用漢字以外の読み方でも、由来からきちんと押さえておけば、読み間違えを防ぐことができますね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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