取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺ったのは、都内にて旦那さまと2人で暮らしている千枝さん(仮名・40歳)。千枝さんは埼玉県出身で、両親と2歳下に弟のいる4人家族。几帳面でせっかちな父親とそれに必死でついていこうとする母親。そんな両親の下で育ち、仕事が楽しいこともあって年々結婚願望は弱くなっていったとか。しかし、33歳の時に当時付き合っていた男性と結婚を選択します。
「結婚した理由はタイミングです。親友が結婚して寂しさを感じている時に、プロポーズを受けたから。私と夫と私の親友はみんな同じ大学で友人。夫とは親友を介して卒業後に再会して付き合いに至りました。親友が結婚した直後のプロポーズは、こういう運命だったのかもなって受け入れることができたんです。交際期間は1年半ほどでしたが、ケンカもなくうまくいっていました」
何も決めずに結婚したことですぐに意見の食い違いが生じた
両家の顔合わせに結婚式も問題なく進みます。相手のご両親の印象はとても良かったと振り返ります。
「夫も結婚願望がそこまでなくて、仕事を転々とフラフラしているタイプだったので、義両親は結婚をとても喜んでくれていました。義両親は仲良さそうで、家には義母の趣味だという刺繍をあしらった小物がたくさん飾ってあって、奥さんの趣味を認めてくれている感じにも好感を持ちましたね。夫は少し甘えたな部分があったんですが、それも両親から大切に育てられているという証だとプラスに考えていました。うちの弟が少し冷めた性格なので。それに、夫の実家は都内にあったもののそこまで連絡を取り合っている様子もなくて、この距離感ならうまく付き合っていけると思っていたんです」
結婚後も仕事を続けていたという千枝さんですが、一緒に暮らし始めたことでお互いの行動が気にかかるように。夫との最初の夫婦ゲンカは子どものことだったとか。
「私の休みはお客相手で左右されて、夫は週末だったので土日ずっと一緒にいることは付き合っている時からほぼありませんでした。付き合っている頃は一緒に暮らしてもいなかったし、それが普通だったから結婚してからも同じペースでやっていけると思っていたんです。でも、一緒に暮らすと家事を分担にしているにしてもペースが違うところにお互いがイライラしてしまって。それに結婚前に話し合うべきだったんですが、夫はすぐに子どもを望んでいたんです。私は2~3年は2人で生活を続けていきたいと思っていました。子作りのことで揉めてしまうと、夫婦生活もギクシャクしてきてしまって。結婚から半年ほどで冷戦状態になってしまいました」
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