【歩いてみたい冬の京都】断ち物の祈願所「安井金比羅宮」で悪縁を絶ち良縁を願う

安井金比羅宮

京都といえば、春の桜のシーズンと秋の紅葉の時期が注目されますが、じつは多くの秘宝が公開される冬の旅がおすすめです。凛とした空気が張り詰める冬の京都は、よそ行きとはちがう、普段の顔を見せてくれることでしょう。

祇園四条から徒歩約15分、崇徳天皇と讃岐の金刀比羅宮より勧請した大物主神(おおものぬしのかみ)、源頼政を祀る「安井金比羅宮」があります。安井の金比羅さんの名で親しまれるこのお宮、少し変わった特徴があります。

主祭神の崇徳天皇が金刀比羅宮でいっさいの欲を断ち切っておこもりされたことから、断ち物の祈願所として信仰されてきました。ですので男女の縁はもちろん、病気やギャンブル、酒、たばこなどすべての悪縁を切り、良縁に結ばれるように願う社なのです。

本殿の前には、「縁切り縁結び碑(いし)」という高さ1.5m、幅3mの絵馬の形をした巨石があります。中央の亀裂を通して神様の力が円形の穴に注がれるという碑です。

参拝方法は、まずは本殿に参拝し、次に「形代(身代わりのお札)」に切りたい縁・結びたい縁などの願い事を書き、形代を持って願い事を念じながら碑の表から裏へ穴をくぐります。これでまず悪縁を切り、次に裏から表へくぐって良縁を結びます。そして最後に形代を碑に貼ります。

碑は形代だらけで原形が分からないほど。悪縁って、山のようにあるのですね。

取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。

※本記事は「まいにちサライ」2013年12月17日掲載分を転載したものです。