日本各地には、由緒ある邸宅・別邸跡が数多く残っており、今も建物が現存する場所では、姿を変えて人々を迎え入れてくれます。今回は、当時の面影もそのままに、宿として再生することで、身近になった「由緒ある邸宅・別邸が発祥の宿」を紹介します。古くは室町時代の皇室に由緒を持つ宿から、明治から昭和にかけて建築された皇族や旧財閥の邸宅・別邸跡が発祥となっている宿です。優雅な気分を味わえる宿に出かけてみませんか。

快適で贅沢な時間を過ごせるホテルや旅館を厳選して取り扱う宿泊サイト「⼀休.com」に掲載されているホテルの中から、⼤⼈の贅を知り尽くしたサライ.jp 読者におすすめしたい「皇族から旧財閥まで『由緒ある邸宅・別邸が発祥の宿』」を厳選しました。

宿泊したいホテルを⾒つけたら、<⼀休ボタン>をクリックしてください。「⼀休.com」でWeb予約が可能です。

1:強羅花壇  

箱根・強羅の富士箱根伊豆国立公園の中、由緒ある「旧閑院宮別邸」跡地に立地するのが「強羅花壇」です。元々は、本邸を東京の永田町に置いておられた閑院宮載仁親王が、夏の避暑用に岩崎康弥氏所有の土地を譲り受け、昭和5年(1930)に建設した別邸。そこが、現在は伝統的「和」の息づく客室41室からなる温泉旅館となっています。

世界的に有名なホテルレストラングループ「ルレ・エ・シャトー」の加盟店となっていることから、海外からの賓客からも高い評価を得ています。四季折々、旬の素材を匠の技で調理された本格懐石料理を伝統的な「和」の作法でいただくことができます。

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▷政財界人や文人の別荘地として栄えた強羅温泉

「強羅花壇」では3本の源泉を所有しており、2本は庭園内より湧き出る自家源泉です。泉質は弱アルカリ性単純温泉、無色透明な温泉は肌に優しく、冷え症や疲労回復に効能があるといわれます。 緑に囲まれた空間での露天風呂、内風呂、サウナを備えた自家源泉の大浴場でゆっくりとお寛ぎください。家族風呂(無料)、岩盤浴(有料)もあります。

ライブラリーを併設した「サロン青蘭」には、マッサージチェアもあり、入浴後にゆっくりできるのもいいですね。

▷この宿ならではの魅⼒

日本古来の素材と現代的表現を併せ持つ温泉旅館「強羅花壇」。その象徴の一つでもある「林廊」は圧巻です。長さ120メートルにも及ぶまっすぐな廊下は、全面がガラスに覆われ、周囲の景色に合わせて様々な表情を見せてくれます。柱廊の奥にはウッドテラス「月見台」があり、明星ヶ岳など箱根の雄大な自然を望むことができます。至極のひとときをお過ごしください。

問い合わせ先
IN 15:00~19:00
OUT 11:00
室数 全41室
ペット 不可
お子様 可
TEL/0460-82-3331 
住所/神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300 

おすすめのプランは、「【特別懐石】和牛炭火焼プラン」2名で128,260円~。

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2:別邸 海と森

皇族・伏見宮21代貞愛親王が明治37年(1904)に建立した別邸の跡地に佇む「別邸 海と森」。その眺めは日本最東端の日の出と幻想的な夜をお楽しみ頂けます。全室58平米以上のゆとりある客室と。太平洋の大海原と犬吠埼灯台の灯り、沖に広がる漁場と漁船の賑わいを肌で感じた後にいただく地の素材を活かした料理は格別です。

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▷日本最東端の海と森、全室オーシャンビューの露天風呂付き

エリアでも随一の広さを誇る57平米(30畳以上)の間取りと全客室プライベートテラスと露天風呂付きのお部屋です。また、波音もここちよい離れ「ヴィラ瑞鶴荘」(6室限定)は、客室タイプや眺めの趣が異なるつくり。全室オーシャンビューで、海へせり出すような露天風呂を満喫できる贅沢さです。また、隣接の日帰り入浴施設「月美」や森のエステ「美森」などのリラクゼーション施設(有料)で、贅沢に心も体をときほぐすこともできます。

▷この宿ならではの魅⼒

「別邸 海と森」での滞在中は、ぜひとも日の出の一瞬を体験ください。日本一早い日の出を臨められる街・銚子で、刻一刻と代わる空と海の境界線の眺めから、1日の始まりをゆっくりと体感ください。そして、6年連続魚獲高日本一の銚子港より仕入れた海の幸のおもてなしもこの宿ならではの魅力。醤油のルーツと言われている「醤(ひしお)」でいただくお造りは絶品です。一品一品こだわった繊細なお料理を味わうことができます。

問い合わせ先
IN 15:00~18:00
OUT 10:00
室数 全32室
ペット 不可
お子様 可
TEL/0479-21-6300 
住所/千葉県銚子市犬吠埼10292-1 

おすすめのプランは、「ちば郷土料理 ホテル棟 < 銚子名物「つりきんめ」懐石プラン >」2名で99,330円~。

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3: 三養荘プリンスホテルズ&リゾーツ

伊豆長岡、源氏山の山ふところに抱かれた「三養荘プリンスホテルズ&リゾーツ」。昭和4年(1929)、旧三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎氏の長男・久彌氏の別邸として建設された建物を継承、昭和22年(1947)、旅館「三養荘」として営業が始まりました。

「三養荘」とは、岩崎家の家訓とされていた蘇東坡(そとうば)の「三養訓」に由来するもので、岩崎家の別邸当時から呼ばれていた名称をそのまま継承しています。昭和25年(1950)には、明治時代の東京市長(現在の東京都知事)を務めた後藤新平氏の田舎屋「狩野川」を移築して「バー」として再生されています。昭和63年(1988)、文化勲章受章者で建築家村野藤吾氏の設計による新館がオープン。歴史を肌で感じることのできる宿です。

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▷長岡温泉のやわらかなお湯を満喫、全室かけ流し温泉付き

約1300年前の開湯と伝えられる伊豆・長岡温泉。全室掛け流し温泉付きで、9.1pHの高濃度アルカリ泉で、クセがなくやわらかな感触の湯は、肌にしっとりとよくなじみみます。滞在中、好きな時間に好きなだけ温泉に入ることができるのは、うれしいところ。

四季の移ろいが美しい庭園は3,000坪。京都の庭師・小川治兵衛氏の手による壮大な日本庭園は見応えがあります。ぜひ訪ねて欲しいのが、高台に建つ「東屋」です。三養荘の全景を一望できる絶好の場所で、日本建築伝統を今に伝える本館の重厚な風格や、新館の建築家村野藤吾氏の設計による粋を極めた数寄屋造りを堪能できます。

▷この宿ならではの魅⼒

巨匠・名工たちが腕を競い、日本旅館を代表する貴重な建築として、古くから名士たちに愛されてきた由緒ある本館。平成29年(2017)に登録有形文化財に登録されています。新館は、文化勲章受章者で建築家・村野藤吾氏の設計による純日本風数寄屋造りの部屋からなります。

村野藤吾氏が90歳を過ぎてからの作品で、自然の地形を生かしたつくりが特徴。平屋であるにもかかわらず階段があり、離れ形式を基本に廊下でつなぐなどの豊かな意匠を備えています。年月を経て今に伝わる匠たちの技に包まれる、贅沢なひとときをお過ごしください。

問い合わせ先
IN 15:00~17:00
OUT 11:00
室数 全37室
ペット 不可
お子様 可
TEL/055-947-1111
住所/静岡県伊豆の国市ままの上270  

おすすめのプランは、「純日本旅館で至福のひとときを(お食事処/楓コース)」2名で61,456円~。

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4:吉田山荘

東山三十六峰の一つとして親しまれる、京都・吉田山。その中腹に位置する吉田山荘は、昭和天皇の義理の弟君、東伏見宮家の別邸として昭和7年(1932)に建てられました。建物の外観は総桧造りで重厚な存在感にあふれ、屋根瓦には御皇室ゆかりの「裏菊紋」があしらわれており、「和」の情緒を感じさせてくれます。

戦後、その壮麗な姿のまま料理旅館となり、「和」と「洋」が見事に組み合わされた文化財的な建物。現在も当時の面影を伝え、平成24年(2012)に登録有形文化財に認定されました。

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▷東山三十六峰を望む、山荘ならではの私的空間

本館は全客室が南向き。1階は全て庭園に面しています。2階は庭園はもちろんのこと、東山三十六峰の山々、木々の間から見える京都の街並みなど、山荘ならではの風景に心が癒されます。庭園を通り抜けた奥に位置する離れは、北山スギを用いた伝統的な数寄屋造りで、私的な空間を存分に満喫することができるでしょう。

▷この宿ならではの魅⼒

『吉田山荘』に訪れた際、まず最初に出合う「表唐門」の威風堂々とした立ち姿。まさに、元宮家別邸ならではの高貴で瀟洒、重厚感溢れる本館への入り口にふさわしい門構えです。この表唐門は、昭和7年(1932)に宮大工棟梁で文化功労者の西岡常一(にしおか・つねかず)氏の手によるもので、京都市内で唯一の作です。

西岡氏は、日本建築の原点ともいうべき飛鳥時代の古代工法で大伽藍を造営することのできる「最後の宮大工棟梁」といわれた人物です。職人世界の業を究めた人ならでは業と智恵を余す所なく今に伝える作品です。ぜひ、ご注目ください。

問い合わせ先
IN 15:00~21:00
OUT 11:00
室数 全3室
ペット 不可
お子様 不可
TEL/075-771-6125 
住所/京都府京都市左京区吉田下大路町59-1

一休.comでWeb予約

5:HOTEL 賀名生旧皇居  

奈良県西吉野村の北部にある国指定重要文化財「堀家住宅」。賀名生の旧皇居を再生して、平成31年(2019)4月に誕生した『HOTEL 賀名生旧皇居』では、室町時代から4代の天皇がお住まいになった旧皇居の敷地内にある長屋を貸し切って宿泊できます。

由緒は、延元元年(1336)の年の暮れ、足利尊氏によって京の都を追われた後醍醐天皇が吉野へと向かう途中に郷土「堀孫太郎信増」の邸宅に迎えられたことに始まります。天皇を手厚くもてなした郷士「堀孫太郎信増」の邸宅はその後、後村上、長慶、後亀山天皇の皇居として南朝の歴史を刻んできました。今も当時の面影を残します。

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▷一棟貸切の室内では、現代風の快適な時間を満喫!

重要文化財の門には天誅組参謀・吉村寅太郎の筆による「皇居」の扁額があります。この門の脇にある江戸期の長屋建築が宿泊所で、一棟丸ごと貸切って滞在できます。外観は当時のままですが、中は現代風に改装されていて快適。例えば、Wi-Fiも完備されているので、安心です。部屋にはピアノがあり自由に演奏することができるのも面白い点ですね。近隣に民家がないため、気兼ねすることなく、演奏を楽しむことができます。

▷この宿ならではの魅⼒

食事なしの素泊まりプランから、一棟丸ごと貸切でグループでの利用ができるプランなど、様々な宿泊体験ができます。ペット(犬のみ)も同伴宿泊でき、敷地内でドッグランを楽しめます。

レストランでは、洋食や本格的フレンチジビエ料理を堪能ください。体験教室やトレッキング、冬山のスノーシューイング、さらにはツリーイングなど、様々なアクティビティがあり、飽きることがありません。エステや鍼灸マッサージもあり、家族で出かけても目的にあわせて楽しむ時間を大切に過ごすことができそうです。

問い合わせ先
IN 15:00~17:00
OUT 10:00
室数 全1室
ペット 可
お子様 可
TEL/0747-32-0080  
住所/奈良県五條市西吉野町賀名生1番 

おすすめのプランは、「豪華ディナー付き宿泊プラン」2名で税込 52,000円~。

一休.comでWeb予約

***

「由緒ある邸宅・別邸が発祥の宿」をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。皇族から旧財閥まで、各時代に生きた高貴な人々によって大切にされた場所が、時代を経て令和を生きる私たちを迎え入れる宿として生まれ変わっています。先人たちによって、選び抜かれた場所は、その土地ならではの自然を豊かに感じることができます。安らぎのひとときを求めて、ぜひお訪ねください。

※本記事で紹介したプランの価格はすべて税込です。
※本記事は2021 年11⽉2⽇(火)時点での情報をもとに作成しています。
提供されるサービスの内容は随時、変更になる場合があるため、各プランの詳細をご確認のうえお申し込みください。

情報・写真提供/⼀休.com

文/奈上水香(京都メディアライン)
HP: http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/

 

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