一般企業の定年は65歳などと言われていますが、開業医には定年という概念はありません。
生涯現役で活躍する医師も多いですが、
「体力に合わせて徐々に仕事量を減らしたい」
「診療の現場は後継者に任せて、自分は経営に専念したい」
「65歳までに仕事を辞めて、海外で暮らしたい」
など様々な考えの方がいらっしゃいます。
自分自身の望むやり残しのない人生を送るために、他の医師はどのような準備をしているのでしょうか?
株式会社インベストメントパートナーズ(https://www.ivm-bplan.com/)は、全国の医師を対象に、リタイアに関する調査をゼネラルリサーチに依頼し実施しました。
今の仕事を何歳まで続けたいですか?
まず医師は、今の仕事を何歳くらいまで続ける予定なのか伺っていきたいと思います。
「今の仕事をどのくらいまで続けたいと考えていますか?」と質問したところ、『生涯現役(29.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『65歳〜69歳(19.9%)』『70歳〜74歳(19.4%)』『60歳〜64歳(13.2%)』『75歳〜84歳(7.4%)』と続きました。
セミリタイア(仕事量を今の5~8割程度に軽減)を希望しますか?
それでは、セミリタイア(仕事量を今の5~8割程度に軽減)を希望する医師はどのくらいいるのでしょうか?
「セミリタイアを希望しますか?」と質問したところ、6割以上の方が『体力に合わせて、仕事量を減らしていきたい(31.9%)』『60歳以降は診療日数(勤務日数)を現在より週1~2日程度減らしたい(30.4%)』と年齢や体力に合わせてセミリタイアを希望すると回答しました。
同じ仕事量で続けていくというよりは、年齢や体力に合わせてセミリタイアをし仕事を続けていきたいようです。
リタイア後は●●したいと回答! 具体的にどのようなことをしたいのか?
ここまでの調査で、医師のセミリタイアに関する考えが明らかになりました。
それでは、医師はリタイア後の生活を具体的に考えているのでしょうか?
「リタイア後の生活を具体的に考えていますか?」と質問したところ、4割以上の方が『考えている(45.9%)』と回答しました。
医師はリタイア後、どのようなことに挑戦してみたいのでしょうか?
「リタイア後、どのようなことに挑戦してみたいですか?」と質問したところ、『家族で描いていた夢の実現(40.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『社会貢献(27.0%)』『子どもの頃からの夢を実現(14.7%)』『若手の育成・研究開発(8.2%)』『経営コンサルタントやセミナー講演(5.8%)』と続きました。
具体的にどのようなことに挑戦してみたいのでしょう。詳しく聞いてみました。
■リタイア後に挑戦したいこととは…?
・「妻と世界一周旅行をする」(30代/男性)
・「医療の知識を活かしたボランティア活動に行きたい」(30代/女性)
・「発展途上国で医療活動をする」(30代/女性)
・「地方に移住して農業に挑戦したい!」(40代/男性)
・「現在行っている研究の実用化に向けて動きたい」(50代/男性)
などの回答が寄せられました。
将来に向けて取り組むべきことは? 実際に準備している?
前述でリタイア後に医師が挑戦したいことが明らかになりました。
しかし、リタイア後必要になってくるのが生活資金です。
リタイア後も現役時代と同等の生活レベルを維持するためには生涯平均年収の6割が必要だと言われています。
例えば、生涯平均年収2,000万円の方であれば、月100万円程度が必要です。
どのくらいの医師が、生活レベル維持のために準備しているのでしょうか?
「あなたはリタイア後の生活レベル維持のためにどの程度準備できていますか?」と質問したところ、『3〜5割程度の目処は立っている(46.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『6割以上準備できている(27.7%)』『公的な年金のみでほとんど準備できていない(24.9%)』と続きました。
医師の7割以上がリタイア後の生活レベル維持のために少なくとも3割程度の準備ができているようです。
準備している方も、準備していない方も将来に備えて具体的にどのようなことに取り組んでいるのでしょうか?
「具体的に将来に備えて取り組んでいることを教えてください」と質問したところ、『貯蓄(49.0%)』と回答した方が最も多く、次いで『投資・資産運用(25.3%)』『年金等の公的制度の活用(19.8%)』『専門家との相談(4.7%)』と続きました。
将来に備えて貯蓄という選択をし、堅実に資産を蓄えているのかもしれません。
なかには、投資や資産運用を行い、今ある資産を増やすという選択をしている方もいるようです。
将来に備えて今後取り組む必要があるのは…?
前述で、医師が将来に向けて取り組んでいることが明らかになりました。
では、将来に備えて今後取り組む必要があるのは何でしょうか?
そこで、「今後、将来に備えて取り組む必要があると感じていることを教えてください」と質問したところ、『貯蓄(44.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『投資・資産運用(29.3%)』『保険の見直し(20.7%)』『専門家との相談(5.2%)』と続きました。
貯金で堅実に資産を蓄える方法か、今ある資産を増やすという方法に取り組む必要があると感じている方が多いようです。
■必要性があると感じている理由とは…?
・「今の貯蓄額に不安があるため」(30代/男性)
・「少しでも余裕のある生活をしたいから」(40代/男性)
・「今は貯金をしているが、貯金よりもお金を増やすほうが有効に感じる」(40代/男性)
・「公的・私的年金制度等は社会経済により当てにならないと言われているから」(50代/男性)
などの回答が寄せられました。
現在貯蓄をしている方も、貯蓄額に不安を感じて、投資や資産運用の必要性を感じているのかもしれません。
リタイア後、よりよい人生を過ごすために、現在取り組んでいること、取り組む必要があると感じていることが明らかになりました。
リタイア後、どう過ごすか? 医師のみならず、参考となれば幸いです。
調査概要 : リタイアに関する調査
【調査期間】2020年3月27日(金)〜2020年3月30日(月)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,023人
【調査対象】全国の医師
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ