フリマアプリとは、インターネット上で不要になった洋服などをフリーマーケットのように販売・購入できるアプリのこと。利便性の高さがウケ、近頃は50代以上の利用者も増えているようだ。そこで今回は国内フリマアプリ最大手の「メルカリ」が行なった「50・60代の利用動向」に注目し、どのような商品が売買されているのか深掘りしてみた。
50・60代と20・30代の利用動向を比較
調査は2013年7月〜2018年10月の「メルカリ」内の利用データをもとに行なわれた。では、早速50・60代と20・30代の利用動向を比較してみよう。
出品カテゴリーランキング
50・60代は「趣味」、20・30代は「子供用品」が多い
出品しているものとして50・60代は「レコード」が1位であった。昔、コレクションしていたという方も多いだろう。近年、レコード人気が復活している。その影響で、廃盤品などレアなレコードは高値でやり取りされているようだ。
購入カテゴリーランキング
50・60代は「趣味」、20・30代は「生活関連商品」が人気
購入するもの1位は「ゴルフ関連」。20・30代は子供用品など生活に関わるものを売り買いしながら賢く循環させている一方で、50・60代は美術品やスポーツ用品など趣味に関わるものの取引が多いようだ。
取引成立率は「50・60代女性」がトップ
出品したものが購入される「取引成功率」は、20・30代より高い成功率が出ている。
実際「メルカリ」を利用している50代以上のユーザーの声をみてみると…
●断捨離のつもりで着物をリメイクして出品いたしましたが、今は色々着物を探し歩いて、リメイクしてメルカリに出品しています。作る楽しみと売れる喜びで充実感にあふれ80歳過ぎまで頑張るつもりです。(東京都 女性 70代)
●断捨離の為に始めて一年半になる66歳の主婦です。これまで捨てていたものがお金になることに驚きました。まだまだ骨董など沢山あり、誰かに使っていただけたら本当に嬉しく思います。物を捨てる前に、メルカリで検索するようになり、結構高額だったりするとわくわくします。また、お店で買う時も売れそうな品を買うようになりました。捨てるしかないと思っていた夫のゴルフシューズを、思っていたより綺麗で…と喜ばれたりして本当に嬉しく思いました。(神奈川県 女性 60代)
●企業定年後、学生時代に好きだったカメラを楽しもうと、古いレンズを探したが、昔の中古レンズのあまりの安さにびっくり。しばらく楽しむと、レンズがどんどんたまったため、売却購入のためのメルカリにたどり着きました。現在は素人レベルでレンズ分解クリーニングなどを行い販売することもあります。メルカリで購入したジャンクカメラのレンズのみを再利用してデジタルカメラで使用するなど、楽しんでいます。(神奈川県 男性 60代)
●長年勤めた会社をリタイア、趣味の木工を生かし、水車小屋、ティッシュBOXなどを制作し、ティッシュBOXが初めて売れました。うれしくて第2作、第3作を出品中です。(神奈川県 男性 60代)
●83歳にして初めてメルカリにトライ、目下のめり込んでいます。(神奈川県 男性 80代)
※引用元:2018年8月に「メルカリ」利用者に対して実施した自社アンケート
ちなみに「みんなのかくれ資産調査委員会」の調査によると、1世帯あたりの自宅内の不要品の想定価値=かくれ資産は約70万円にのぼるという。さらに、最もかくれ資産が多いのは60代以上の女性で、1人あたり49.8万円だそうだ。
年末の大掃除を機に、家庭内の不要品の整理・処分を検討されている方も多いだろう。フリマアプリを上手に使えば、家庭で眠る不用品がおこづかいに変身するかもしれない。
文/鳥居優美