母親に恋人ができても、父親との友人関係は続いていた
兄が社会人になってからは、兄が不参加になる機会が多くなり、徐々に集まる頻度は落ちていった。そんな中で、母親に新しい恋人の気配を感じるようになったという。
「両親が離婚したときよりも、母親に恋人の気配を感じたときのほうが嫌でした。母親に直接聞いたこともないし、彼氏ができたと打ち明けられたわけでもないのですが、母親が外でお酒を飲んで帰ってくる機会が増えていき、その中で母親は若返っていったので、おそらくそうだろうと。当時は私も大学生で20歳を超えていたから、反対するのもおかしいという思いがありつつも、なんとなく母親を避けてしまっていたと思います」
母親は男性と外出している気配は続いたものの、外泊することなく、また家に男性を連れてくることもなかった。そして、靖子さんが自身の結婚を母親に伝えた際、相手の男性との顔合わせには父親も同席した。
「離婚しても、母親に恋人ができても、両親の関係はまだ続いていることに安心しました。それは母親に再婚の意志がないということだと思っていたからです。母親が再婚したいと言ってきたら反対するのはおかしいとは思いつつも、嫌だったんですよね」
両親の離婚の原因になった祖父母が亡くなったことで、両親の関係は変化していく。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。
