家事も育児も一切参加しなかった

同棲中からお互い働いている身でありながら、家事はすべてひかりさんが行なっていた。収入差があり、生活費を多く払ってもらっていたことからひかりさんは家事全般を受け入れた。家事全般を担うことは結婚後も変わらなかったという。

「同棲中は家での食費や消耗品費が私で、その他の家賃や水道光熱費、外食のお金も夫持ちでした。だからせめて家事は私がするのは当然だと思っていました。

妊娠を機に結婚して、私は妊娠初期の段階の体調不良によって仕事を辞めました。そこから食費などもすべて夫が持つことになったので、家事全般を私1人がすることも仕方ないと思っていました」

夫の仕事は忙しく、会社に泊まる日も多かった。帰宅後は1日中寝てしまうことが多く、会話はほぼない状態だった。

「会話がないのが当たり前という感じでした。食事のときに私が一方的に話すことはあったのですが、聞いているのか聞いていないのかわからないような相づちばかりで、いつからかテレビの音だけが響くようになっていました。

会話がないのも、仕事で外泊することも同棲中からです。結婚してからも、子どもが生まれてからもその生活は変わりませんでした」

夫はひかりさんが「仕事に復帰してもしなくても構わない」と言った。子どもができてからも家事はもちろん、子育ても一切参加しなかった。

「子どもが泣いていても無視です。こちらから少し面倒を見てほしいとお願いしても『子どももお母さんのほうがいいでしょう』と言って何もしない。子どもができてから寝室を分けて、私と子ども、夫と別々に寝るように。本当にただの同居人になってしまいました。

私はそれでもいつか子どもに興味を持ってもらえるはずと思っていたのですが、夫の部屋でケースに入った高そうな耳栓を見つけたときにその望みはなくなりました」

離婚の準備を整えていく妻に、夫は気づかない。【~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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