妹は母親の暴言から実家に寄りつかなくなっていた

一番に家を出たのは妹だった。9歳上の男性と短大を卒業したばかりの20歳のときに授かり婚をした。次に姉が同い年の男性と26歳のときに結婚して家を出る。最後に、里帆さんは26歳のときに仕事の関係で家を離れ、29歳で結婚した。3姉妹の中で里帆さんが一番帰省していなかったが、妹が実家に入り浸っていたこともあり、親のことを思い出すことは少なかったという。

「妹は実家近くに暮らしていて、子どもを年子で3人産んだこともあって、しょっちゅう母親に子育てを手伝ってもらっていました。姉夫婦には子どもはいないんですが、姉が姪にメロメロで、時間があると実家に寄って姪をかわいがっていました。

そんな2人が実家に頻繁に顔を出していたので、私は別にいいかなって。私は飲食店で仕事をしていたこともあって、すごく忙しかったんです。夜中に帰って寝るだけの毎日で、実家に寄る余裕はありませんでした」

しかし、いつからか姉妹2人が実家に寄りつかなくなっていた。その理由を母親は「知らない」と言ったが、妹は母親の悪口を里帆さんに伝えてきたという。

「私は母親からご飯を食べに来ないかと誘われて、久しぶりに実家に顔を出したら、帰り際に色々お土産を持たされたんです。量が多かったから姉や妹にあげてよと言ったら、全然来てくれないと母親は愚痴ってきました。来なくなった理由を母は知らないと言うので、私は妹に電話したんです。そしたら、『いつまで子育てをさせられるのか』『本当に何もできない』『迷惑』と言った内容のことを妹はいきなり母親から言われたらしく、顔を合わせる度に何度も言われたことで言い合いになり、最後は『帰れ!』と子どもたちの前で怒鳴られたそうです。姉にも電話をすると、同じようなことを言っていました。

私には母親は優しかったので、姉や妹と接していたときの母親の機嫌が悪いだけだと思っていました。すぐに元に戻ると思っていたんです」

姉妹が寄りつかなくなった実家では父親が母親のサンドバックになっていた。【~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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