新入学、新学期を迎え、この春から就職活動開始の方もいらっしゃることでしょう。
就職活動で必要になる「エントリーシート」の書き方に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。「エピソードはあるがうまく文章にならない」という人もいれば、「そもそも書くことが思いつかない」という人もいるかもしれません。

そこで今回、株式会社ビズヒッツ( https://bizhits.co.jp/ )が運営するビジネス上の問題解決を考えるメディアBiz Hits( https://bizhits.co.jp/media/ )は、就活時にエントリーシートを作成した経験がある140人に「エントリーシートを書くときに困った項目」についてアンケート調査を実施。その結果をランキング形式でまとめました。さっそくご紹介しましょう。

エントリーシートを書くときに困った項目1位は「志望動機」

就活時にエントリーシートを作成した経験がある140人に「エントリーシートを書くときに困った項目」を聞いたところ、1位は「志望動機(42人)」でした。2位「自己PR(29人)」、3位「長所・強み(20人)」、4位「学生時代に頑張ったこと(19 人)」と続きます。

「なぜ応募したのか」をうまく言語化できず困った人が多数。また自分の人間性をうまくアピールできず困っている人も多いとわかります。

1位 志望動機

・大本命の会社以外は特別な志望理由がなかったので苦労しました(21歳 女性)
・会社ごとに作成するので労力がかかるから(22歳 男性)
・自分のことを語るのは簡単ですが、志望動機は会社のことをよく知る必要があり大変でした(22歳 女性)

志望動機は会社ごとに作成する必要があるため、求められる文字数が多いと作成に手間がかかります。「志望動機を書くための企業研究」に時間をとられるのも負担ですね。

あまり志望度が高くなかったり、やりたい仕事が定まっていなかったりすると、ますます苦労します。

2位 自己PR

・他の人との差別化が難しかった。また決まった文字数で伝えたいことを書くのにも苦労した(21歳 女性)
・自分の特徴や長所を言葉にするのが難しかった。また自己PRはどの企業もあるが、字数はそれぞれ異なるので大変だった(21歳 男性)
・「自分が主張したいこと」と「会社が求めている人物像」がマッチするかわからなかったので、試行錯誤しながら書いていました(22歳 女性)

企業の求めている人材像に寄せてアピールするためには、企業ごとに内容を書き替える必要があります。文字数も企業ごとに違うため、微調整に苦労した人も多くなりました。

前段階となる自己分析が不十分だと、何を書いていいかすらわからなくなるでしょう。

3位 長所・強み

・自分に自信がないので、長所が思いつかなかった(21歳 女性)
・エピソードを踏まえて話す必要があったため、わかりやすいエピソードを考えるのに苦労した(21歳 女性)
・自分を客観的に評価するのは難しいから(21歳 男性)

自分に自信がなく「短所は出てくるけど、長所を考えるのは難しかった」という人が複数いました。長所を証明できる「具体的なエピソード」をまとめることに苦労した人も。

自分で長所が思いつかないときは、周囲の人に聞いてみたり就職サイトの診断ツールなどを参考したりするとよいでしょう。

4位 学生時代に頑張ったこと

・他の人に比べると、誇れるようなエピソードが少なかったため(21歳 男性)
・大学の研究がひとりで行うものだったので、人に話しても共感を得づらいエピソードしかなかったから(21歳 女性)
・バイト漬けだったので「勉強」「サークル活動」「ボランティア」などのエピソードが薄く、埋めるのに苦労した(21歳 男性)

「学生時代に頑張ったこと」いわゆる「ガクチカ」は、努力の方法やモチベーションのあり方が、企業にフィットしているかをはかるための質問。そのため華々しいエピソードがなくても「困難・課題への取り組み方」を伝えられればOK。

しかし実際には「周りに比べたら平凡な生活だから、何を書いたらいいかわからない」と苦労した人も多いようです。

5位 短所・弱み

・自分のマイナスな面を話すと印象が悪くなりそうだと思ったから(21歳 女性)
・短所はあるが、「短所をリカバリーするために行ってきたこと」「入社後にも取り組める行動」がなかなか思いつかなかった(21歳 女性)
・正直に書きすぎるとマイナスイメージになるし、「短所を克服してみせる」といった意気込みに寄りすぎると問われている内容とズレるから(22歳 男性)

企業が短所を聞くのは「短所を改善しようとしているか」「企業の風土と合わない短所かどうか」を確認するためです。そのため、ただ正直に短所を書くだけではなく、実践している短所の改善方法も記載する必要があります。

ただ改善方法が思いつかなかったり、簡潔にまとめるのが難しくて苦労した人も多くなりました。

6位 趣味・特技

・あまり趣味や特技がなかったので。また面接で印象が良さそうなものは何かを考えるのに苦労しました(21歳 女性)
・継続してきた趣味や人に自慢できるような特技が思い浮かばなかったから(23歳 男性)

人柄をアピールできたり会話のきっかけになったりする項目ですが、「趣味も特技もない」という人が多数。「エントリーシートには書きにくい趣味」といったケースもあるかもしれません。

7位 挫折・苦労体験

・今までの人生で苦労したことがなかったので(21歳 男性)
・受験に失敗したわけでもなく、今まで挫折だと感じる経験が少なかったから。インパクトのないエピソードしかなかったから(21歳 女性)

挫折や苦労を経験したあとの気持ちのもちようやリカバリー方法を知るための質問ですが、「あまり挫折を経験していない」と困った人が多数。

大きな挫折体験である必要はないので、「人間関係のトラブル」などを話せる範囲で見つけてみてはいかがでしょうか。

エントリーシート作成の参考にしたのは「ネットの情報」

「エントリーシート作成の参考にしたもの」を聞いたところ、1位「ネットの情報(30.5 %)」でした。2位「先輩のアドバイス(19.1%)」、3位「友人のアドバイス(16.3%)」、4位「就職課のアドバイス(13.5%)」と続きます。

ネットを参考にしている人が多数。時間を選ばず、手軽に記入例などを見られるからでしょう。

また先輩や友人などの就活経験者にアドバイスを求めた人も目立っています。

1位 ネットの情報

・周りに聞ける人があまりいなかったから(19歳 女性)
・いろいろな参考例があったから(22歳 男性)
・就活開始直後はエントリーシートにどんな内容を書くべきかがわからなかったので、「形だけでも完成させよう」と思って就活サイトのテンプレートを参考にしました(22歳 女性)

就活サイトなどを見ますと、エントリーシートの「テンプレート」「実例」「例文」が多数掲載されています。手軽に調べられるので便利ですが、丸写ししないように注意が必要です。

2位 先輩のアドバイス

・自分の性格を第三者に評価して欲しかったから(21歳 男性)
・就活経験者なのですごく勉強になる(22歳 女性)
・大手企業からいくつも内定をもらっていたから(23歳 女性)

先輩なら誰でもいいわけではなく、「大手企業・有名企業から内定をもらった先輩」や「多数の内定を獲得した先輩」にアドバイスをもらった人が目立ちました。実際に内定を得ている人からのアドバイスは、説得力がありますよね。

自分と同じ希望業種・職種の内定をもらった先輩なら、さらに信頼できそうです。

3位 友人のアドバイス

・同時期に就職活動している同級生たちの記入内容を教えてもらいました。具体的にどういう内容を書いているのか、例が知りたかったためです(21歳 女性)
・早くに内定をもらったサークル仲間の内容を参考にさせてもらった。就職活動開始後、半年で10社の内定をもらっていたので(22歳 男性)
・友達にエントリーシートを読んでもらい、印象を聞きました。内容が他人の目にどううつるかはわからないからです(22歳 男性)

友人のエントリーシートを見せてもらったり、エントリーシートへの意見をもらったりした人が多くなっています。他の人と比べることで、「自分のエントリーシートに足りない要素」などが見えてくるかもしれません。

また気心の知れた友人なら、率直な意見をくれると考えられますね。

4位 就職課のアドバイス

・学生一人一人に担当職員が割り当てられていたから(21歳 女性)
・友人や先輩に相談するよりも、冷静で的確なアドバイスがもらえそうだったので(21歳 男性)
・数多くの学生を見てきているので(22歳 男性)

就職支援に力を入れている大学では「就職課」「キャリアセンター」にアドバイザーを置いています。学内で空き時間に相談できるので手軽ですし、大学の組織なので安心して利用できるのがメリットです。

5位 就活関連の参考書

・良い例文が思いつかなかったから(21歳 女性)
・周囲に聞くのが恥ずかしかったから(21歳 男性)
・記載した内容が常識的に大丈夫なのか、確認したかったためです(23歳 男性)

例文などはネットでも調べられますが、本ならいつでも気軽に確認できて、気になった点や思いついたことを書き込みできます。またテクニックだけではなく、「エントリーシートを書く際の心構え」などを解説している本もあります。

6位 先生・教授のアドバイス

・必ず先生に添削してもらうことになっていたから(21歳 女性)
・誰よりも信頼できる先生だったからです(22歳 女性)

信頼できる先生にアドバイスしてもらった人も多数。理系学部だと、研究室の教授による推薦状を添えて応募するケース(教授推薦)もあります。

教授推薦なら、推薦状とエントリーシートの内容が合うよう、教授にエントリーシートをチェックしてもらうのがいいですね。

7位 参考にしたものはない

・自分の力でやりたかったからです(22歳 女性)
・「エントリーシートはあくまで自分で作成すべきもの」と思っていたからです(22歳 男性)

「自己分析すれば解決する」と、自力でエントリーシートを作成した人もいました。

ただ自力で書いたとしても、「伝わりやすい内容になっているか」「改善できる点はないか」をチェックするため、書き終わったあと誰かにチェックしてもらうのはいいかもしれません。

8位 家族のアドバイス

・先に就活を行っていたため、姉にアドバイスをもらった(22歳 女性)
・経験豊かだから親に手伝ってもらった(23歳 男性)

親だけではなく、すでに就活を経験している兄・姉に助けてもらった人もいました。「客観的にみた自分の長所・短所」を率直に教えてもらえそうですし、「社会人が読んだときに違和感のない文章か」もチェックしてもらえるでしょう。

家族が人事や人材関係の仕事に就いていれば、専門的なアドバイスも期待できそうです。

* * *

エントリーシートで苦労した項目としては「志望動機」や「自己PR」を挙げた人が最も多くなりました。

しかし自己分析と企業研究をしっかりと行っていれば、「テクニック」や「派手なエピソード」にこだわらなくても、魅力あるエントリーシートが書けます。

エントリーシートを書く際にはネットを参考にする人が多いものの、ネットの例文がすべてあなたに当てはまるとは限りません。

またネットの文章を丸写しすると、採用担当者に見破られてしまう可能性もあります。

「エントリーシートの書き方に自信がない」「ネットで調べたけど、イマイチしっくりこない」という方は、就活エージェントに相談してみるのもおすすめです。

就活エージェントが自己分析・企業分析をサポートしてくれるので、オリジナルかつ伝わりやすいエントリーシートが書けると期待できます。

またエントリーシートがしっかり書ければ、面接に進んだときにも受け答えがしやすくなるでしょう。

調査概要
調査対象:就活時にエントリーシートを作成した経験がある方
調査期間:2022年12月18日~2023年1月5日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:140人(女性87人/男性53人)

※全ての集計結果データは以下から閲覧可能です。https://bizhits.co.jp/media/archives/31848

 

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