結婚前に妊娠が発覚するも……

元々結婚願望があまりなかったという陽子さんが結婚しようと思ったきっかけは母親の病気でした。しかしそのときに姉から屈辱の支援があったと言います。

「母親はガンで、早期発見だったので幸いすぐに命の危険があるものではなかったのですが、やっぱり家族にとっては大きな出来事でした。

私が久しぶりに親を見たからなのか、親の老いというものもリアルに感じてしまって、“結婚しなくては”と思いました。その同時期に、姉も私に結婚してほしいと思ったのか、結婚相談所のお金として30万渡してきました。当時私は31歳だったんですが、『子どものタイムリミットとかちゃんと考えなさい』と言いながら……ここまで私のことを下に見ているんだと、本当に屈辱的でした。もちろんそのお金は受け取っていません。『ちゃんと考えている』と笑顔で伝えましたが、内心は殴りかかりたいほどムカつきました。そこから姉とは2人では一度も会っていません」

陽子さんは実家から帰省したその日にネットで結婚相談所を検索して、翌日には面談の予約を取り付けます。そこから活動して1か月ほどで出会ったのが今の旦那さまとのこと。付き合ってすぐに妊娠が発覚しますが、妊娠中にお腹の中で亡くなってしまったそう。

「夫は3人目のお相手で、こんなにすぐに決まるものなんだなって感じでした。夫のほうは何度目かはわかりませんが長いこと在籍していたみたいです。私の目的はお付き合いではなく結婚だったので、特に悪いところが見つからなかった夫からお付き合いの申し込みがあったときには即決でOKしました。3回目のデートで成婚退会をして、その1か月後ぐらいに妊娠が発覚したんです。その子はお腹の中で心拍が止まってしまってダメだったんですけど……。その後すぐに未来を向くことができずに、結婚したのはその半年後です。結婚前の子どものことは私と夫、2人だけの秘密にしようと約束していました」

義両親に伝わっていた流産の事実。心無い発言に対して結婚当初の夫は陽子さんの味方だった。

~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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