急変した夫の態度。実家に戻った娘を見て、両親は両極端の反応を見せた

仕事を辞めた雅子さんはフリーランスとして少しずつ仕事を始めるようになり、プライベートとの時間の両立がうまくできるようになっていったそう。しかし、しばらくして夫からのモラハラが始まります。

「普段は応援しているフリをしているけれど、お酒が入るとモラハラが始まりました。『食べていけるほども稼いでいないくせに』、『言い返したかったら一人前に稼いでみろ』とかですかね。夫が仕事を辞めたらと提案してきたから、ずっと働いてきた仕事を手放したのに……。その言葉を信じて、見切り発車で仕事を辞めてしまった自分に対してもすごく腹が立ちましたね。夫は暴言をした翌日には必ず謝ってきます。でも、お酒を飲んで口にするということは、深層心理の場合が多い。ずっと私のことを見下してきたんだなって思いました」

夫からのモラハラが何度か続き、新居を飛び出し実家に戻ったものの、雅子さんを巡って両親の意見が対立。そしてその後、母親はある行動に出たと言います。

「私が実家に戻ったことで、父親は理由を聞いても『家に戻れ』の一点張り。一方で母親は、家を追い出そうとする父親から庇ってくれました。しかし、そのことで初めて私の目の前で両親が揉めてしまって……。そんな姿を見て、私はいたたまれなくなって、ここにいてはいけないと一度家に戻りました。その後、私は何事もなかったように夫のモラハラに耐える毎日だったんですが、知らないところで両親が別居することになっていて」

そして現在、雅子さんは母親と2人暮らしをしています。

「母親も私も離婚はしていません。両親は別居のみで離婚に対して具体的なことは何も出ていないと思います。私たち夫婦は離婚について話し合いを重ねている最中です。母の中で父親と離れるきっかけを作ってしまったことにやや罪悪感がありますが、母親は『子供の味方にもなってあげられないところを見て、今まで何にしがみついていたんだろうと我に返った』と吹っ切れた笑顔で言っていました。最近母親はよく笑うようになりました。それだけが救いかな」と雅子さんは語ります。

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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