離婚後も定期的に会いに来てくれる父。背景にどんな気持ちがあったのか考えもせずに自分の生活を優先し続けた
両親の離婚は中学2年生になったばかりの頃。予感していたものがあり、すんなりと受け入れることができたそうです。
「離婚の直前には母方の祖母がよく家に来たりしていたので、なんとなくもうそろそろなのかなって思っていました。反対しようなんてちっとも思っていませんでしたね。不仲になってから3年以上経っていたし、あまり帰ってきていない状態だった父は個人の仕事場を家にしているようで、すでに別居しているような感じでしたし。
離婚すると両親から話された時も泣きませんでした。それに妹も泣きませんでしたね。妹もある程度覚悟していたんじゃないかな。その頃は妹ともまったく会話がなくて。反抗期じゃなかったけど、家族といるより、友人といるほうが楽しかったから、どこか自分の家のことなのに他人事のように感じていたのかもしれません」
離婚後も父親とは数か月に1回のペースで会う約束をしていたそう。しかし高校生になり、父親と会うことの優先順位が少しずつ下がっていったと言います。
「会ったとしても、一緒に食事をして帰るぐらいです。最初は妹と一緒だったんですが、いつしか別々になり、会う間隔がだんだん開いてきて、最後には大型連休にしか会わないようになりました。その機会でさえ、友人との約束が入ったら断っていましたね」
あの頃の父親がどういう気持ちだったのか。離婚して子供と簡単に会えなくなったことで当時の父親の気持ちが見えてきて……。
【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。