秋の奈良の風物詩である奈良・正倉院の宝物を展示する「第70回正倉院展」が、今年も10月27日(水)~11月12日(月)まで、奈良国立博物館で開催される。
今年は北倉(ほくそう)10件、中倉(ちゅうそう)16件、南倉(なんそう)27件、聖語蔵(しょうごぞう)3件、合計56件の宝物が出陳される。このうちの10件は初出陳を含んでいる。
なかでも注目される宝物は聖武天皇ゆかりの「平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)」。夜光貝、琥珀、トルコ石などといった世界各地で集められた材料によって、精巧な装飾が施されていて、中国・唐からもたらされたと考えられている。
このほか沈香木画箱(じんこうもくがのはこ)、玳瑁螺鈿八角箱(たいまいらでんはっかくのはこ)、犀角如意(さいかくのにょい)など、珍貴な素材を惜しげもなく使い、技術の粋を尽くした華麗な工芸品が目を楽しませてくれる。
今年は平成25年度~27年度にかけて、宮内庁正倉院事務所で行なった特別調査を踏まえ、麻を用いた様々な宝物が出陳される。麻と人間の織りなす文化の歴史を垣間見ることができるはず。また、正倉院宝物と同時代に朝鮮半島に栄えた新羅(しらぎ)に関わる宝物も多数出陳される。唐だけではない、奈良時代の多様な国際関係に思いを馳せる良い機会になるはずである。
会期中は無休。観覧料は一般1100円、高校・大学生700円、小中学生400円。詳しくは、奈良国立博物館のウェブサイトまで。
お出かけの際は、JR東海ツアーズ「50+ フィフティプラス」やクラブツーリズムのツアーなどをご利用して
『第70回正倉院展』
会期:平成30年10月27日(土)~11月12日(月) 全17日
会場:奈良国立博物館 東新館・西新館
休館日:会期中は無休
開館時間:午前9時~午後6時
※金曜日、土曜日、日曜日、祝日(10月27日・28日、11月2日・3日・4日・9日・10日・11日)は午後8時まで。※入館は閉館の30分前まで。
※なお「サライ.jp」読者の方から抽選で10組20名に「第70回正倉院展」のチケットをプレゼントします。お申し込みは、こちらのフォームから。