蔦重と200年後の角川映画

I:さて、「現代とつながる蔦重」ですが、蔦重と源内のやり取りの中で「今、うちは富本の浄瑠璃本出してんですが、これ逆はねぇのかなって思いまして。例えば、うちで出した本が元になって芝居が出来上がるとか」と語っていました。昭和50年代に一世を風靡した「角川映画」の「読んでから見るか、見てから読むか」を想起させるやり取りでした。

A:なるほど。蔦重と角川春樹さんの間に流れる時間はおよそ200年。蔦重の発想はやはり先駆的だったんですね。

I:そして、蔦重の耕書堂からの初めての黄表紙となる『伊達模様見立蓬莱(だてもようみたてほうらい)』が刊行されます。桜の木に本のタイトルが書かれた短冊を吊り下げるなど、これも斬新な宣伝手法でした。蔦重は、吉原から日本橋へと耕書堂を移転させます。

A:ついに日本橋が舞台になるのですね。しかし、蔦重ってすごい!

蔦重が考えついた斬新な本の宣伝方法。(C)NHK

●編集者A:書籍編集者。『べらぼう』をより楽しく視聴するためにドラマの内容から時代背景などまで網羅した『初めての大河ドラマ~べらぼう~蔦重栄華乃夢噺 歴史おもしろBOOK』などを編集。同書には、『娼妃地理記』、「辞闘戦新根(ことばたたかいあたらいいのね)」も掲載。「とんだ茶釜」「大木の切り口太いの根」「鯛の味噌吸」のキャラクターも掲載。

●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。猫が好きで、猫の浮世絵や猫神様のお札などを集めている。江戸時代創業の老舗和菓子屋などを巡り歩く。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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