それでは、正解を発表します!
【クイズ1】
北尾重政の「絵本吾妻抉」には、武家の妻や奥女中が夢中になっている「宝引」の様子が描かれています。正月によく行なわれ、江戸時代の女性たちを魅了したこの「宝引」とは、次のどれでしょう?
(い)逢引
(ろ)一種の福引
(は)幇間を呼んでお座敷芸を楽しむ会
(に)かんざしなどを隠して探させる宝探し
正解(ろ)
「宝引」とはくじの一種。複数の紐を用意し、ひとり1本ずつ引かせる。あたり紐には橙をつける。それを引いた人は賞品を貰う。正月の遊戯だが、賭博としても用いられた。駄菓子屋の飴玉くじも宝引の一種。
【クイズ2】
江戸ではさまざまな植物の栽培・観賞が流行しました。では、染井の植木屋が売り出して元禄期(1688~1704)にブームとなった植物は、次のうちどれでしょう? この植木屋は、この植物の品種にちなんで屋号を「霧島屋」としました。
(い)朝顔
(ろ)躑躅(つつじ)
(は)菊
(に)花菖蒲
正解(ろ)
江戸染井の伊藤伊兵衛家は代々園芸の家で、とりわけ躑躅を大量に栽培してきた。
【クイズ3】
江戸庶民の四季の行楽に関する記述として、間違っているのはどれでしょう?
(い)飛鳥山の桜は、享保5年(1720)に8代将軍吉宗の命により植えられた
(ろ)両国の川開きは、毎年5月28日だった
(は)虫聴きは、7月26日、8月15日、9月13日に行なう習わしだった
(に)冬には、雪見酒を楽しんだり小高い丘から銀世界を眺める人たちもいた
正解(は)
選択肢(い)(ろ)(に)の記述は正しい。(は)の「虫聴き」は「月見」とすれば記述は正しくなる。7月26日は「二十六夜待」で八つ時に出る月を拝む。8月15日・9月13日は、両日ともに月見が多くの人によって行なわれた。
【クイズ4】
( )の去りゆく空や秋の風
これは、江戸時代のある大関の辞世といわれるもので、( )には四股名が入ります。雲州侯のお抱えで、雷電にも比せられた、この名力士は誰でしょう?
(い)谷風
(ろ)小野川
(は)稲妻
(に)不知火
正解(は)
稲妻大吾郎(1795~1877)は力士で7代横綱。常陸国河内郡生まれ。文政3年(1820)に佐渡ヶ嶽部屋に入り、巻ノ島、槙ノ島などと名乗る。文政7年に稲妻と改名し、松江藩松平家のお抱え力士となる。入幕して4年で大関となり、幕内16年間に勝130・負13という好成績をおさめた。文政11年7月横綱を免許される。
何問正解できましたか? 今回はなんと全問1級からの出題でした! かなり難しかったかもしれません。全問解けた方は自信を持ってくださいね!
※問題の出典:『第4回 江戸検問題公式解説集』『第3回江戸文化歴史検定(2008年度)江戸検出題問題公式解説集』
取材・文/オノハルコ(晴レノ日スタヂオ)