豚のしょうが焼きや麻婆豆腐など、おかずの余り物を挟んで焼いても美味。
「ホットサンド」は、食パンで具材を挟んだものを、専用のホットサンドメーカーにセットして、こんがりときつね色になるまで焼き上げた、温かいサンドイッチです。誤解されやすいのですが、「クラブハウスサンド」のように、あらかじめトーストしたパンで具材を挟んだものではなく、あくま「パンと具を一緒に加熱して、中まで温かい」ことが肝心です。
1970年代に大流行したこの「ホットサンド」の人気が、再び高まってきているようです。
直火式ホットサンドメーカーの老舗ブランド『バウルー』の販売元であるイタリア商事では販売量が急増し、生産体制を強化。問い合わせも増えているそうです。
ハムやチーズ、ツナなどの具材を挟んだものは、昔ながらの喫茶店で見かけることはありました。ところが、30年以上の時を経て、昨今はファストフード店やお洒落なカフェでも提供されており、具材も実にバリエーションに富んでいます。
ホットサンドの良さは、誰でも手軽に作ることができて、何を挟んでもおいしく焼き上がることにあります。たとえば、前夜のおかずで残ってしまった「豚肉のしょうが焼き」なども、せん切りキャベツと共にパンに挟んで焼けば、立派な朝食の一品となります。鍋底にほんの少しだけ残ったカレーでもいい。シューマイや麻婆豆腐といった中華惣菜なども、意外なほど好相性です。そして、細かい分量などを気にせず作れるのも。
ホットサンドメーカーは、「コールマン」などのアウトドア用品ブランドからも多く発売されています。毎日の朝食はもちろん、秋の行楽シーズンを迎えるこれからの季節は、野外などでホットサンド作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
文/大沼聡子