ここ数年、ルイボスティーを愛飲している。カフェインを含まないお茶であるがゆえに、就寝前にのんでも眠りを妨げる心配がないのがよい。最も寛(くつろ)げる時間帯の一杯のお茶は、一日の疲れを労(いたわ)ってくれる。
ルイボスティーの産地は世界でただひとつ、南アフリカである。「ルイボス」とは、現地の言葉で「赤い茂み」を意味する。300年以上も前から「不老長寿のお茶」として飲み続けられてきたという。
その色合いは紅茶を連想させるが、原料の茶葉は全く異なる。学名を「アスパラサス・リネアス」といい、豆科に属する低木の針のような葉。それを発酵、乾燥させると、美しい赤みを帯びたお茶になる。
ルイボスティーは独特な風味が強く、じつはあまり得意ではなかった。しかし、長野県・軽井沢の有機ルイボスティー専門店「RT」のお茶に出会ってから、すっかり宗旨替(しゅうしが)えすることになった。
クセがなく、その代わりにふくよかな香り、深い味わいがある。紅茶の味が産地や作り手によって異なるように、ルイボスティーにもこんなに味の差があるのだと知った。
「ルイボスティーは、紅茶と同じように牛乳を加えてミルクティーにしても美味しいんですよ」
そう教えてくれたのは、「RT」代表の前田るみ子さん。実際に試してみて、納得。紅茶のアッサムのように濃い色のルイボスティーにたっぷりの牛乳を注げば、美しいミルクティー色に変化する。お茶の味わいがさらにまろやかになって、また異なる美味しさを発揮するのだ。好みで、砂糖などの甘味を足してもよい。
前田さんの店では毎年、冬季限定で販売する、スパイスをブレンドした「ルイボス・チャイ」も人気。健康を気遣う相手への贈り物にも、お薦めしたいお茶である。
【RTea room -Rooibos Tea Shop-】
■所在地/長野県北佐久郡軽井沢町追分1739−7
■電話/0267-41-0669
■営業時間/12:00~16:30(LO:16:00)
■定休日/火曜日・水曜日(冬季は変更あり)
*12/27(火曜)~新年1/5(木曜)は休業
http://www.rtroom.co.jp/SHOP/freepage.php?id=41
写真・文/大沼聡子
※本記事は「まいにちサライ『食いしん坊の味手帖』」2013年12月9日掲載分を転載したものです。