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東京国際フォーラムにて「2015年 東京インターナショナルオーディオショウ」が開催された。内外から180を超えるブランドが大集合する年に一度のオーディオの大イベントである。そこで出会ったのは長年憧れてきた老舗ブランドから、海外最先端のハイエンドまで。ハイレゾ全盛期の中、真空管やアナログレコードにこだわった製品も多数出展されていたのが印象的だった。

 

■YAMAHA
ヤマハが1974年に発売した傑作モニタースピーカーが『NS-1000M』である。30cmウーハーを採用した3Wayスピーカーで、中高域用ユニットにベリリウム振動板を使ったのが特徴だ。その後、23年間も販売されるロングセラーモデルとなった。その復活は誰しも予想していなかったが、次世代モデル『NS-5000』(http://jp.yamaha.com/products/audio-visual/special/ns-5000/)として、2016年7月に発売されることが突然告知されたのだ。

価格はペア150万円(税別)と気合いが入っており、振動板はベリリウムに匹敵する音速を誇る「ザイロン」と呼ばれる化学繊維をベースに、ヤマハオリジナルの蒸着コーティングがほどこされているという。また、中高域ユニットにはB&Wなどが採用してポピューラーになったバックチャンバーを装着して不要な共振を打ち消している。65Lのキャビネットは北海道産白樺の積層合板を使い、6面すべてにヤマハグランドピアノと同じ塗料と下地材、研磨工程によるピアノフィニッシュをほどこしている。

今回、始めてその音が聴けるということで試聴ブースは連日満員。B&Wと1、2を争う人気ブースだった。50分という長丁場の試聴体験で様々な音楽が楽しめた。『NS-1000M』は密閉型でかなり低音を出すのが難しかったが、『NS-5000』はバスレフ型になったため、量感ある低音が部屋に満ちていた。音場追求型ではなく、楽器の弦の響きやボーカルのニュアンスを大切している印象を受けた。ワイドレンジでクセのない素直な音は、音楽のジャンルを問わずに楽しめそうだ。

ヤマハの試聴ブースはかなり広かったが、『NS-5000』はそれに負けずに量感のある低音を再現。ドライブしているのは同社のプリメインアンプだった。
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『NS-5000』のカットモデルも展示された。ツイーターとスコーカー(ミッドレンジスピーカー)に複雑な形状のバックチャンバーが取り付けられている。ウーハーの横に見えるのは定在波を打ち消すための新開発共鳴管で狙った周波数だけを効果的に打ち消せる。これによりキャビネット内の吸音材を最低限に抑えている。
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