
山梨・都留|バンカム・ツルの「ケニア」
「コーヒーのおいしさはキレのいい喉越しと後口のよさ。誰も淹れてないコーヒーを提供したい」と、富士山の麓に店を開いて41年、コーヒー焙煎への熱い情熱を激(たぎ)らせるのが『バンカム・ツル』の店主、中村 操さんだ。
中村さんがコーヒーに目覚めたのは1973年、会社員だった27歳のころ。焙煎を究めるべく、全国の名店を行脚した。
「いいコーヒーを浴びるほど飲みながら先人に学びました」と、以降、中村さんはエチオピアやイエメンなど産地へも赴く。日本語に訳されていない文献にもあたり、焙煎の研究に明け暮れる。

「焙煎の前に生豆(なままめ)を60℃の湯で洗い、汚れを落としてから、湯に浸す”水蒸気焙煎”を採用し、豆の隅々まで水分を行き渡らせています。お米(炊飯)と一緒ですよ」
水分を含んだ豆を焙煎機に投入すると、高温、高圧、水蒸気の状態で豆が蒸されるため、火入れにムラがなく、旨みを逃さないという理屈だ。当然、品種や、その日の気温、湿度によって水分や時間は都度変えてゆく。
抽出にも水蒸気が一役買う。ネルがコーヒーを蒸らし、滑らかで濃厚な一杯が生まれる。


倉陶園」のカップを愛用している。
バンカム・ツル
山梨県都留市上谷1571-4
電話:0554・45・2260
営業時間:11時〜18時(テイクアウトは〜19時)
定休日:日曜
交通:富士急行線都留文科大学前駅より徒歩約5分
取り寄せ/電話注文、山梨県都留市ふるさと納税特設サイト
取材・文/山崎真由子(「崎」はただしくはたつさき) 撮影/寺澤太郎
※『サライ』2026年6月号より












