年末年始は疲労がたまりやすい時期。疲れをそのままにしておくと腰痛になってしまうことも……。
腰痛を予防するには、腰の疲労をとって筋肉をほぐすことが効果的です。
そのために大事なのがストレッチ。誰でも簡単にできるストレッチをご紹介します。

腰痛の原因は筋肉の疲労

腰痛の原因には様々なものがありますが、筋肉の疲労もそのひとつです。

とくに、デスクワークなどで一日中同じ姿勢で座りっぱなしだったり、普段あまり歩かず運動不足だったりすると、腰や骨盤周りの筋肉が疲労しやすくなります。

筋肉は疲労が続くと血行不良をおこし、固くこわばってきます。

さらにそれが続くと、筋肉の中にトリガーポイントと言われるしこり状の発痛点が生じてしまうことがあり、痛みをおこしてしまうことがあるのです。

とくに年末年始は仕事に追われ、忘年会新年会などのつきあいもあって疲れがたまりやすい時期です。そんな疲れをほっておくと腰を痛めてしまったり、元からあった腰痛が悪化してしまったりしかねません。

そうなる前に!

ストレッチをすることで筋肉の疲労を回復し、腰痛を予防することができます。

ストレッチする筋肉

腰痛の原因になりやすいのは、以下のような筋肉です。

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、背骨を支える筋肉です。上図のように背骨の両脇にあり、骨盤から首までつながっているロープのような筋肉です。

腰方形筋(ようほうけいきん)は、肋骨と骨盤をつないでいる筋肉です。背骨や骨盤を支える筋肉で、とくに長く座りっぱなしでいると疲労してきます。

腰が疲れたときにトントンと叩きたくなると思いますが、その部分の筋肉です。

中殿筋(ちゅうでんきん)は骨盤から太ももの骨(大腿骨)をつないでいる筋肉です。股関節を動かしたり骨盤を支えたりする筋肉で、やはり長く座っていると疲労しやすい筋肉です。

ハムストリングは腿裏の筋肉で、股関節や膝を動かす筋肉です。

長く座っていたり、あまり歩かない生活をしていたりすると縮こまって股関節が固くなったり、腰や足の痛みの原因になりやすい筋肉です。

これらの筋肉を、日々ストレッチすることで腰痛を予防することができます。

筋肉の名前まで覚える必要はありませんが、どのへんにあってどんな形をしているかをイメージしていると、よりストレッチの効果が高くなります。

ストレッチをする際の注意

ストレッチを安全に効果的におこなうためには、いくつか注意するべきことがあります。

以下の注意事項を良く理解しておこなってください。

ストレッチをする場所

・安定した平らな場所を選び、リラックスした服装・姿勢でおこなってください。
・布団やベッドの上では危ない場合があります。

無理に行なわない

・ストレッチは自分の身体の硬さにあわせて行なってください。
・これからご紹介する画像などと同じようにできなくても構いません。
・無理に行なうとかえって痛みが悪化してしまう場合があります。

ストレッチのポイント

・形や筋肉を伸ばす時間などに意識がいきがちですが
(1)動作をゆっくり行なう
(2)動作と呼吸を合わせる
(3)伸びている感覚に意識を集中する
(4)ゆっくり味わって戻す
この4つが大切です。
・伸ばす時に息を吐きながら、できるだけ身体の力を抜いてください。
・ストレッチのポーズがうまくできなくてもいいので、筋肉が気持ちよく伸びる感覚を意識してください。

腰のストレッチ

このストレッチでは、脊柱起立筋、腰方形筋、中殿筋などをストレッチすることができます。

仰向けに寝て片脚を90度持ち上げます。そこから持ち上げた脚を反対に倒すようにして腰を捻りましょう。

上の図の場合は、左脚を持ち上げてから右に倒すようにしています。

腰からお尻にかけて心地よく伸びたところで止め、30~60秒ほどキープします。

呼吸は楽に続けて、息を止めないようにしましょう。

できる方は、顔を倒した脚と反対側に向けるとよりストレッチがかかります。

身体の力をできるだけ抜きます。とくに伸びている腰やお尻の力を抜くようにしましょう。

力んでしまうと十分に筋肉が伸びません。

終わったらゆっくりと戻し、反対側も同じように行ないましょう。

痛みのためにこの姿勢ができない、またはこの姿勢をとると症状が悪化する時はやめてください。

お尻(殿筋)のストレッチ

このストレッチでは、中殿筋などをストレッチすることができます。
自宅で出来る!腰痛トレーニングより(https://www.re-studio.jp/dvd.html

仰向けで両膝を立て、片方の足首を反対の膝に乗せます。

そのまま腿の裏を両手で抱えて胸に引き寄せます。

お尻から腿の裏側にかけて心地よく伸びたところで止め、30~60秒ほどキープします。

呼吸は楽に続けて、息を止めないようにしましょう。

身体の力をできるだけ抜きます。とくに伸びている部分の力を抜くようにしましょう。

力んでしまうと十分に筋肉が伸びません。

終わったらゆっくりと戻し、反対側も同じようにおこないましょう。

腿の裏を持つのでは楽な場合は、すねを持つようにしてみましょう。

痛みのためにこの姿勢ができない、またはこの姿勢をとると症状が悪化する時はやめてください。

腿裏(ハムストリング)のストレッチ

このストレッチでは、バスタオルなどを使用します。

自宅で出来る!腰痛トレーニングより(https://www.re-studio.jp/dvd.html

仰向けになり、バスタオルを片脚のつま先あたりにかけます。

そこからバスタオルを引っ張るようにして脚を上に伸ばしていきます。

腿裏からアキレス腱にかけて心地よく伸びたところで止め、30~60秒ほどキープします。

呼吸は楽に続けて、息を止めないようにしましょう。

身体の力をできるだけ抜きます。とくに伸びている部分の力を抜くようにしましょう。

力んでしまうと十分に筋肉が伸びません。

終わったらゆっくりと戻し、反対側も同じように行ないましょう。

痛みのためにこの姿勢ができない、またはこの姿勢をとると症状が悪化する時はやめてください。

また、膝の裏を両手で持つ方法や、座ってタオルで伸ばす方法などもありますので、次の画像を参考におこなってみましょう。

この記事があなたの腰痛予防改善の一助になれば幸いです。

以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。

腰痛を解消するためにトレーニングすべき3つの部位とその順番【川口陽海の腰痛改善教室 第120回】(https://serai.jp/health/1149253

自宅・室内で腰痛改善! 足踏み運動で下半身の筋力アップ!【川口陽海の腰痛改善教室 第118回】(https://serai.jp/health/1143858

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ヘルニア・腰痛を改善! 寝ながらできる腰痛体操 誰でもできる5つのストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第66回】(https://serai.jp/health/1028037

拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
お読みいただけると幸いです。

文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616 http://www.re-studio.jp/index.html

腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(健康プレミアムシリーズ)川口陽海(著/文) 永澤守(監修) 発行:アスコム
腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい
(健康プレミアムシリーズ)
川口陽海(著/文) 永澤守(監修) 
発行:アスコム

 

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