取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

今回お話を伺った美玖さん(仮名・38歳)は36歳のときに5歳上の男性と結婚。現在は旦那さまとその連れ子との3人暮らしをしています。連れ子との関係は表面上ではうまくいっているそうですが……。

「懐いてくれていますし、私も大好きです。でも、関係を壊したくなくて親というよりも仲良しの同居人という感じで、何もできないのです」

両親のような夫婦になりたいと結婚を決めるも、裏切りによる婚約破棄に

美玖さんは京都府出身で、両親と6歳上に兄、2歳上に姉のいる5人家族。近所には父方の祖父母や叔父一家なども暮らしており、いつも賑やかに過ごしていたと言います。

「従兄弟も年齢が近くて、よく一緒に遊んでいました。兄が一番年上で子どもたちの中のボス的な存在で、他が子分としてついていくような構図でしたね。兄と姉はときどきケンカをしていたけれど、どちらも基本私には優しくしてくれました。姉は年上というよりも同世代の友だちみたいな感覚で当時から一番仲良しで、今も一番連絡を取り合っています。

両親は昔こそ周囲にお構いなしにケンカするような人たちで、母親が実家に帰ってしまったり、父親が数日帰って来ないときもありましたが、年々仲良しに。今はお互いのことを文句言いつつも大切にしている感じです。夫婦って不思議な関係だなって、両親を見てつくづく思いますね」

美玖さんは20代の頃に婚約をした男性と破局している過去を持ちます。原因は相手の浮気発覚。一時男性不信に至ったそう。

「相手は大学のときの同級生で、仲良くなってすぐに意識するようになり、婚約したのは26歳のとき。8年も付き合っていて、同棲して2年以上が経ったときにお互いの親からけじめをつけなさいと促され、婚約に至りました。

でも、結局相手は結婚に乗り気ではなかった。『ずっと好きだった』という相手に告白してうまくいっていたみたいで、私に泣きながら謝ってきました。『ずっと好きだった』相手がいる中で私との結婚話が進んでいくのをどう思っていたのか。次に恋愛関係になるときには相手のどこを信用していいのか、わからなくなりました」

【友人から恋人へ。連れ子に対する態度も大きく変わった。次ページに続きます】

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