生もずくの旬が到来!沖縄が誇る美味なる海の健康食材「もずく」【沖縄ぬちぐすい紀行24】

旬の生もずくの時期はとくに美味。三杯酢の酸味がほどよい「スヌイの酢の物」(松本料理学院・琉球料理コース)。

文/鳥居美砂

古くから全国各地で食べられてきたもずくですが、じつは沖縄県の生産量は日本一です。それも全国生産量の約95%(平成28年)を占めているというのですから、すごいシェアですよね。

その理由や背景を聞くために『沖縄県もずく養殖業振興協議会』を訪ね、事務局員の神村尚樹さんに話を伺いました。

「沖縄県では、昭和50年(1975)からもずくの養殖手法の実証試験を始め、その後、試行錯誤を繰り返して現在の養殖技術が確立されました。

養殖されている種類は、オキナワモズクとモズクの2種類ありますが、ほとんどが琉球列島特産種のオキナワモズクです。このふたつは同じナガマツモ目の海藻ですが、オキナワモズクはナガマツモ科オキナワモズク属、モズクはモズク科モズクに分類されます。見た目は似ていますが、科が違うとイヌとネコぐらい違うのです。

オキナワモズクは太もずくとも呼ばれ、太さが1.5〜3.5ミリあります。そのため、モズクに比べて歯ごたえがよいのが特徴です。

県内で養殖が盛んな地域は、本島では東海岸の勝連(かつれん)や南部の南城市知念(ちねん)、中部西海岸の恩納(おんな)村など。伊是名(いぜな)島、伊平屋(いへや)島、久米島といった離島や、宮古島や石垣島でも養殖していますが、いずれも地形的にリーフの内側で、風の影響を受けにくい場所です」(神村さん)

沖縄の青い海に、もずく養殖場が並んでいます。

養殖には、海中に浮遊する天然のオキナワモズクを着生させて育てるそうです。4月から6月にかけて、芽が出て大きくなったものをポンプで吸って収穫します。

オキナワモズクの収穫はポンプを使って吸い上げ、海上に待機している船に送ります。

「オキナワモズクの生産量が急激に伸びた理由は養殖技術の向上によるものですが、健康機能性が報告されている『フコイダン』が多く含まれることも後押ししました。テレビや雑誌などで、このフコイダンが取り上げられ、全国に販路が広がりました」(神村さん)

もずくは以前から低カロリーで、ミネラル豊富な健康食材として知られていましたが、水溶性の食物繊維「フコイダン」に注目が集まり、食卓に上る回数が増えたのです。

沖縄では昔から三杯酢で食べられていたため、酢海苔=「スヌイ」と呼ばれています。ちなみに、もずくの語源は「藻に着く」からだそうです。

カラッと揚がった「スヌイの天婦羅」。もずくに人参、青ネギを加えたかき揚げ。(松本料理学院・琉球料理コース)

もずくを使った定番料理は酢の物ですが、沖縄では天婦羅にしてもよく食べます。さらに、卵焼きや雑炊、ヒラヤチー(沖縄版チヂミ)の具にもします。

中でもイチオシは味噌汁です。スープにするともずくの磯の風味が勝ちすぎてしまいがちですが、味噌汁にするとほどよい感じになります。心地よい歯ざわりと、なめらかな喉ごしで、きっとやみつきになります。ぜひ、お試しください!

※ 「沖縄県もずく養殖業振興協議会」
http://www.mozukukyo.org/?page_id=2
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もずくのレシピも多数紹介されているので参考にしてください。

那覇市国際通りのてんぶす前で開催された「もずくの日」イベント。もずくを使った料理の試食やレシピの配布などもあり、多くの人で賑わっていました。

文/鳥居美砂
ライター・消費生活アドバイザー。『サライ』記者として25年以上、取材にあたる。12年余りにわたって東京〜沖縄を往来する暮らしを続け、2015年末本拠地を沖縄・那覇に移す。沖縄に関する著書に『沖縄時間 美ら島暮らしは、でーじ上等』(PHP研究所)がある。