「うちの強みは“超美麗”切削加工技術です」と胸を張るのは、長野県諏訪市にある丸安精機製作所取締役の長峰偉紘氏。同社はこの地で創業50年の金属加工の会社だ。
同社は高級オーディオのつまみ、レンズのリングといった外装部品の切削加工に特化。社員10名ほどの工場だが、全員が削りのプロであり、その技術には絶対の自信を持つ。「技術を活かした独自製品を作れないか――そんな思いを持ったとき、市が主催する交流プログラムで出会ったデザイナーから『文具を作ってはどうか』との提案を受け、自社ブランド商品第1弾として生まれたのがこの2種のペンです」
棒状のアルミ材を間欠回転させながら、いわゆるギザギザの形状に表面を切削するローレット加工により、複雑で繊細なパターンが側面に刻まれ、両端部にはスピン加工により同心円の細密模様が、その周縁にはダイヤカットにより美しい鏡面が現れる。
コンピュータ制御ではあるが、刃物の角度、切削スピードや回転数など、仕上がりを左右するさまざまな要素を調整しながら合わせていく必要があり、その作業には熟練の技が不可欠だ。
【今日の逸品】
精密切削加工のローレッツ万年毛筆とボールペン
丸安精機製作所
25,920円~(消費税8%込み)