仕事で忙しかった20代、そして妊娠をきっかけに30歳でスピード婚へ
大好きだった祖母は高校生の時に他界。さおりさんは高校を卒業後に飲食店を運営する企業に就職しますが、その頃から徐々に母親との関係が悪化していきます。
「祖母はその頃には入退院を繰り返していて、ある程度は覚悟していたものの……。亡くなった後も母親と祖母の家で生活していたんですが、父親の時には感じなかった寂しさを毎日感じていました。
私は高校の時からアルバイトしていたところで正社員になったんですが、正社員になるとアルバイトの管理やお店の開け閉めなどもやらないといけなくなり、拘束時間が大幅に増えて、とても忙しかったんです。そうなると母親との会話も必然的に減ってしまい、コミュニケーションをあまりとらなくなりました。それよりも寝たかったし。そうしたらそんなに仕事をしているのが気に入らなかったのか、まだ20代前半なのに結婚しろとか言い出して……。言われ続けるのが鬱陶しくてますます避けるようになったんですよね」
仕事に明け暮れて20代を過ごし、旦那さまと出会ったのは30歳になったばかりのとき。交際半年で入籍となったのは妊娠が発覚したからだったとか。
「知人の紹介で知り合ったんですが、2歳下でかわいい雰囲気もあって初対面から好感を持っていました。妊娠がわかった時にはもちろん焦りましたが、夫はあっさり『結婚しよう』と。すごく嬉しかったです。
しかし、子どもはダメだったんです。入籍前に流産してしまって……。夫はそれでも結婚しようと言ってくれました」
子ども誕生を機にさらに複雑になっていく夫婦関係。別居を選んで10年弱、コロナ禍で再び同居をするようになった結果は……。【~その2~に続きます。】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。