日本人の平均寿命は男性が81.09歳、 女性が87.26歳と、 年々延び続け、 過去最高を更新している。 (※厚生労働省「平成29年簡易生命表」より)
「人生100年時代」と言われる中、 人生の折り返し地点である40~50代で、 最近増加している未婚者のうちどのくらいの人が長生きしたいと思っているのか、 また「長生きしたい」「長生きしたくない」と意識を分ける要因はあるのか、を株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントが実施した、首都圏在住の40~59歳の未婚男女1,454人を対象に「長生き」意識についての調査・分析を紹介しよう。
●「なるべく長生きしたい」意識
「なるべく長生きしたい」と思っている40~50代未婚者は、 全体で42%と半数以下。 ただ、未婚男性は「長生きしたい」願望が高く、 特に家族と同居している未婚男性が約57%と高い。
未婚女性は長生きしたい意識が同居、 単身とも約36%で大きな差は見られなかったのに対し、 男性は同居有無で差がみられ、「単身」(約44%)に比べ「同居」(約57%)の方が「長生きしたい」意識が高い。
長生きしたい意識で差がみられた、 未婚(同居)男女を「長生きしたい層」「長生きしたくない層」に分けて、 意識の違いをみた。
●結婚に対する意識/長生き意識別
結婚を夢見ている未婚(同居)男性、 自立して生きたい未婚(同居)女性。
「結婚した方が幸せになれる」と考える人は、“長生きしたい未婚(同居)男性”で52%に対し、“長生きしたくない未婚(同居)女性”は36%と低い。 一方で「誰にも頼らずに生きたい」は、 “長生きしたい未婚(同居)男性”で65%に対し、“長生きしたくない未婚(同居)女性”で75%と高い。
●介護・経済不安/長生き意識別
“長生きしたくない未婚(同居)女性”は、 介護や経済的ゆとりに対して悲観的
「自分に介護が必要となった時のこと(非常に不安と感じる)」と考える人は、“長生きしたくない未婚(同居)女性”で55%。 また、「経済的なゆとり(全然ない)」と答えた“長生きしたくない未婚(同居)女性”は46%。
家族と同居している40~50代未婚男女間で、長生き意識に違いがあることがわかった。男性は家族とともに長生きしたいという気持ちが大きいのに対し、 女性は家族の老後や介護に不安を感じ、 長生きに消極的になってしまうという結果のようだ。
日常の生活にも不安定な要素の多い、現代の日本。女性の方が老後をより現実的に考える傾向にあるのかもしれない。
男女を問わず、将来に期待を持って長寿を楽しむ、理想の社会になってほしいものである。
※配偶者がいたと仮定して回答
■調査概要■
調査名: 恋愛・結婚・消費に関する調査
調査地域: 一都三県(神奈川、 埼玉、 千葉)
調査対象: 30~59歳男女個人
サンプル数: 有効回収 3395サンプル(性×年代別/未既婚離死別/同居有無を割
付)
調査手法: インターネット調査
調査実施時期: 2017年10月
株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント「恋愛・結婚・消費に関する調査」より