
取材・文/沢木文
親は「普通に育てたつもりなのに」と考えていても、子どもは「親のせいで不幸になった」ととらえる親子が増えている。本連載では、ロストジェネレーション世代(1970年代~80年代前半生まれ)のロスジェネの子どもがいる親、もしくは当事者に話を伺い、 “8050問題” へつながる家族の貧困と親子問題の根幹を探っていく。
* * *
聡志さん(仮名・70歳)は、都内郊外の広い家に息子(41歳)と2人暮らしをしている。大手企業に定年まで勤務し、親の遺産を基に資産も形成していたが、コロナ禍を機に転がり込んできた息子に、予想を上回る悪夢のような現実を突きつけられた。
【これまでの経緯は前編で】
息子は3回離婚をしている
息子は背が高く、目鼻立ちが整った聡志さんに似ている、イケメンだ。太りにくい体質で、髪も濃い。だからモテる。そして社会人になって、すぐに“デキちゃった婚”をする。
「少子化の今こそ“授かり婚”などといい祝福されているけれど、20年ほど前の当時は“順序が逆”などと揶揄される少々恥ずかしい結果だった。最初の結婚相手は、責任をとって結婚することになった感じだった」
息子本人も相手を愛せない、その結婚生活は、2年で終わる。
「正直、孫もかわいいと思えなかったんですよ。産院に行ったときに“かわいいね”とは言ったものの、帰りのクルマで妻と沈黙してしまった。相手の親がウチとはあまりにも違いすぎたんです。息子もかなり居心地が悪かったみたい」
離婚の原因は、相手の女性が浮気したこと。しかし、血を分けた孫ゆえに、養育費を支払う。
「罪滅ぼしだった。具体的には言えないけれど、まとまったお金を一括で渡した。今、彼らがどうしているかは知らない」
その後の息子の女性問題について話を伺ったが、奔放だった。聡志さんに、息子の後始末にかかったお金の概算を伺うと、湾岸エリアのタワーマンションの中層階の一室が購入できるくらいの金額だった。
【息子の給料は手取りが2万円だという事実~次のページに続きます】











