
人生百年時代と言われるようになり、50代からでも投資は決して遅いものではなくなりました。政府もNISA(少額投資非課税制度)などで国民の投資を後押ししています。
とはいえ、初心者にとっては投資はハードルが高いもの。
そこで、参考にしたいのが、『投資初心者の僕がプロたちから学んだ、正しいお金の増やし方』(徳間書店)です。元TBSアナウンサーで、アメリカで起業するなど、ビジネスの世界でも活躍する国山ハセンさんが、投資初心者だったご自身の体験も交えて、投資のイロハについて、わかりやすくまとめた一冊。
今回は、国山ハセン著『資初心者の僕がプロたちから学んだ、正しいお金の増やし方』(徳間書店)の中から、「単純ゆえに強力な投資信託」を紹介します。投資の第一歩といわれる「投資信託」について学びましょう。
富裕層は特別な投資をしていない
「おすすめの金融商品は何?」
「投資を始めてみたいんだけど、何から手をつければいいの?」
僕がビジネス映像メディア「PIVOT(ピボット)」で、資産運用にまつわる情報番組(『MONEY SKILL SET(マネースキルセット)』『MONEYSKILL SET EXTRA(マネースキルセット・エクストラ)』)のMCをしていることもあり、友人からそんな質問をされることが増えました。
これまでさまざまな「お金のプロ」たちの教えを直接聞き、自分でも数々の失敗を重ねてたどり着いた僕の答えは明快です。
「まず投資信託から始めてみましょう。で、アメリカの未来を信じるなら、米国株式の株価指数であるS&P500(約500銘柄で構成)に連動したインデックスファンド。世界全体の成長に賭けるなら、全世界の株式に分散投資するオール・カントリー(全世界株式:約3000銘柄で構成)型のインデックスファンド。まずは、このどちらかで十分です
よ」と。
※インデックスファンドとは、投資信託と呼ばれる金融商品の1 つで、市場全体の値動きを示す指数(インデックス)に連動する投資成果を目指すものです。
米国株を対象としたインデックスファンドには、前述した「S&P500」や「NASDAQ100」といった株価指数に連動する商品があり、日本株を対象とするインデックスファンドには、「日経平均株価」「TOPIX(東証株価指数)」といった株価指数に連動する商品があります。全世界株型のインデックスファンドで採用されている代表的な株価指数は「MSCIACWI」です。
これまで出会ったお金のプロのなかで、もっとも衝撃的で、かつ資産運用に対する考え方を根底から変えさせられた人物がいます。
元ゴールドマン・サックスの田中渓さんです。田中さんは17 年間にわたるゴールドマン・サックス在籍中に、ドラマ『ハゲタカ』の舞台にもなった投資部門で約4000億円の資金を動かしてきました。その投資規模は企業価値・資産価値ベースに換算すると1.2兆円を超えるそうです。すさまじい経歴です。
さらに20か国以上・300人を超える「億円資産家」や「兆円資産家」といった“超”がつく富裕層と関わってきました。アラブ首長国連邦やサウジアラビアなど、中東の王族とも交流があったといいます。大富豪たちの哲学や習慣を肌で感じてきた、まさに“本物のお金持ちを知る人物”です。
そんな田中さんが教えてくれた「富裕層のマインド」とは、一体どのようなものなのか。
「富裕層は、私たちが知らない特別な情報や、特殊な金融商品で密かに儲けているはずだ」
田中さんに出会う前の僕は、漠然とそんなイメージを抱いていました。
しかし、田中さんは僕のそんな思い込みを一蹴しました。富裕層だからといって特別な投資をしているわけではなく、彼らも投資のスタートラインは私たち庶民となんら変わらないというのです。
驚いたことに、彼らもまずは「キャッシュで寝かせておくよりはマシ」という現実的な理由でインデックスファンドに投資することから始めるのだと言います。
第一にインデックス投資によって安定的にまとまった利益獲得を目指す。そして徐々に個別株や仮想通貨といったリスク資産へ運用の幅を拡げていく。そうこうしてさらに資産規模が大きくなったら、スタートアップへのエンジェル投資など、よりハイリスク・ハイリターンな領域にステップアップする──。田中さんによると、それが富裕層の歩む王道のロードマップです。
つまり、“選ばれし者しか通れない近道”など存在しません。王道と言われるステップを、誰よりも忠実に、着実に歩んでいる。その「当たり前の徹底」こそが、彼らが莫大な富を築けている真の理由だったのです。
日本の億万長者も「S&P500」に資産の半分を投資していた
田中さんから教わった「富裕層の堅実な投資スタイル」。でもそれは本当なのだろうか。天上界にいる人々が本当にそんな地味なことをやっているのだろうか。まだ僕はどこかで疑っていました。
そんなある日、誰もが知る上場企業の創業者の方と会食する機会がありました。資産は数千億円。まぎれもない本物の億万長者です。働かなくても一生豪遊して暮らせます。つい気になって聞いてしまいました。
「資産運用とかしているんですか? そんなに資産があったら、もう運用なんてする必要ないですよね?」
返ってた答えは、僕の予想を鮮やかに裏切るものでした。その億万長者の方はがっつり資産運用していました。どんな運用か? 資産のおよそ半分をS&P500型のインデックスファンドに入れていたのです。
ここではっきりと裏が取れました。やっと腹落ちしました。田中さんが教えてくれた「大富豪たちの資産の半分はインデックスファンドで運用」という話は、やはり本当だったのです。田中さん、疑ってしまってごめんなさい。
誰もが真似できる、超富裕層の投資戦略
億万長者の方やお金のプロの方たちの話をうかがってきた結果、確信したことがあります。それは世界の富の流れはとても単純だということ。「資産の半分をインデックスファンドに回す」なんて、まさに単純の極みです。
外から見ていると、億万長者やお金のプロたちは複雑なことをしているように見えます。でも実のところ本当に稼いでいる人たちは、いちばん単純な戦略で勝っているのです。
中途半端にお金を持つと、人は小賢しいことをしたくなる傾向があるように思います。たとえば、デイトレードやFX(外国為替証拠金取引)。短期的に数十万円増えた、みたいなスリルを求めてしまいます。
けれど、超富裕層たちはそんなことにお金も貴重な時間も使いません。単純さこそが、もっとも再現性の高い戦略だと知っているからです。
「どうせプロには勝てない」「証券会社のカモになるだけ」と投資をためらう人もいますが、僕はそうは思いません。超富裕層が実際にその方法で資産を築いているのなら、私たちが学ぶべきもまた、その“単純なやり方”です。
まずは投資を始めてみること。そして、その一歩としてインデックス投資を選ぶこと。それが今日から誰でも実践できる富裕層のマネースキルです。
もちろん、僕の資産は彼らの足元にも及びません。でも、考え方だけは超富裕層と同じでいたい。資産の規模や増えるスピードは違っても、“お金との向き合い方”は真似できるはずです。
※投資にはリスクがつきものです。自己責任において無理のない範囲で行いましょう。本記事は、特定のインデックスファンドをお勧めするものではありません。
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投資初心者の僕がプロたちから学んだ、正しいお金の増やし方
著/国山ハセン
徳間書店 1,760円(税込)
国山ハセン(くにやま・はせん)
1991年生まれ、東京都出身。中央大学商学部卒業。2013年、TBS テレビに入社。数々の番組でメインMC などを務め、2021年8月からは報道番組『news23』のキャスターも務める。2022年末をもってTBSテレビを退社し、ビジネス映像メディア「PIVOT」に参画。さまざまな動画コンテンツの企画・制作に携わり、なかでもMCを務める『MONEY SKILL SET(マネースキルセット)』『MONEY SKILL SET EXTRA(マネースキルセット・エクストラ)』は資産運用の学びの番組として大きな人気を博している。
2025 年、アメリカでFOX UNION Inc. を立ち上げ、日本発のグローバルメディア「UnKnown」を合わせてローンチ。
著書に『アタマがよくなる「対話力」』(朝日新聞出版)がある。
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