家族の仲良しごっこに巻き込まないで

2人が結婚すると言われたときに初めて知ったのは、相手の男性もバツイチで別居中の子どもがいるということ。こども全員を交えての食事会を提案されたが、それは拒否したという。

「相手の男性は母親の3歳上で、私と年齢の近い子どもが2人いて、元妻と一緒に暮らしているようでした。その人は何を思ったのか、その子どもと私との5人で食事をしたいと言ってきたんです。自己満足でしかない仲良しごっこはやめて欲しいと思いましたね。相手の子ども2人と知り合いになってどうするんだと。

提案されたときには『考えとく』と濁して後日断ったのですが、2人の子どもにも断られたみたいです」

そこから母親とその男性と会うのは年に数回だけだったが、男性のある発言から由里さんは2人の新居に行くことを拒否するようになったという。

「私は独身で、一度も結婚したことがありません。結婚は絶対したいものではなく、付き合っていく中で結婚したいと思ったらすればいいのかなって思っています。付き合っている男性とは交際歴は10年以上になりますが、相手がバツイチで、別居中ですが子どももいる状況です。母親とその男性には、長く付き合っている人がいることだけ伝えていました。そしたら、2人して『なぜ結婚しないのか』と踏み込んでくる。母親にも放っておいてほしい気持ちがありますが、あの人にはもっとあります。『あなたは私の父親ではありませんよ!』と言ってやりたいです」

由里さんはその男性とは養子縁組はしておらず、由里さんは母親の旧姓を1人名乗り続けている。熟年再婚した親を持つ子どもは後に介護問題やお墓などの問題が生じる場合があるという。母親とその男性は現在70歳前後となり、先送りにしてきた問題と向き合うときも近そうだ。熟年再婚のメリットは、当人同士の老後の不安を軽減できるというが、子どもからするとそうとは言い難いのが、当事者のリアルな声だろう。

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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