決して良好ではない両親の関係はずっと一定を保ち続けていた
雅子さんは高校を卒業後に都内の大学へ進学とともに一人暮らしをスタート。一人暮らしを始めたばかりの頃は、両親の仲が心配で月に1~2度のペースで帰省していたそう。しかし、徐々に自身のことばかりになってしまったとか。
「最初の1年ぐらいはよく帰省していたんですが、それも徐々に少なくなっていきました。当時、生まれて初めて彼氏ができたこともあって(苦笑)。でも、母親とはたまにですが電話で連絡を取り合っていても、電話の内容で父親のことが出てくることはなかったので、何の変化もないんだろうなと思っていました。
昔から仲良しなのか不仲なのかさえわからない両親だったんですが、そんな関係性は何年経っても変化もなくて。私は特に地元に戻って来いと言われないことをいいことに、大学を卒業後もそのまま東京に残ったんです」
就職先は小さな編集プロダクション。そして、働き始めて2年目の時に、大学から付き合っていた男性と結婚します。
「大学で付き合った男性が2つ上で、プロポーズをされたんです。当時は24歳だったんですが、この人とずっと一緒にいるんだろうなって思えたから。お互いの両親への挨拶、結婚式も一通りやりました。両家の顔合わせでは初めて気を遣う、外面の父親の姿を見られて新鮮でしたね」
24歳で一度目の結婚。そして離婚を経て、再婚を機に今度こそ幸せになれると思っていた雅子さんでしたが、自身の夫婦生活の不和が両親にも影響を及ぼしてしまいます。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。