【娘のきもち】不倫、そして不倫相手との再婚という父親の二度の裏切り。絶縁と歩み寄りのどちらも選べない～その1～

父親の不倫で両親が離婚。一度は切れた父娘だったが…

高校生に入ったとき、父親から一度目の裏切りがあったそう。

「両親が離婚したんです。理由は父親の不倫でした。父親が働く会社の部下とそういう関係になったと。その話を母親から聞く少し前から父親は家に帰って来なくなっていて、その話を聞いてから一度だけ顔を合わせたんですが、同じ空間にいるのも嫌なくらいでした。一気に父親が気持ち悪い存在になりました。高校生で多感な時期もあって、親の異性部分なんて受け付けられませんでしたから。

それから母親は父親の話を一切しなくなったので、私も母親には何も言いませんでした。当時付き合っていた彼氏や友人には散々父親の悪口を言いましたけどね」

すでに高校生だったこともあり、離婚後に父親との連絡も取っていなかったとのこと。しかし、大学受験のときに母親から父親の話題が出て、学費は父親が工面してくれることを知ります。

「進路についての話を母親としていたときに、母親から久しぶりに父親の話題が出て、大学のお金は父親が工面してくれることを知りました。母親は父親の近況などにも触れてきて、本当に普通に淡々と。拍子抜けしたことを覚えています。母親は離婚後に働き出して、前よりもずっと綺麗になってイキイキと毎日が楽しそうでした。そのときに不倫とか離婚はもう母親の中で過去のことなんだなって思って。私はまだ少しもやもやとした思いがありましたが、大学のお金を払ってくれるということなんで、最初は割り切って父親と連絡を取るつもりでした」

最初は気まずさがあったそうですが、それも次第になくなっていき、普通に会うようになっていきます。

「最初こそお互いよそよそしかったんですが、そこから連絡先を教えてもらってからは、たまに連絡があってそれに返信するような感じでした。そして何度か食事に行くようになり、食事に行く度に服とかを買ってもらえたりもして。そこから欲しいものがあると連絡しちゃうようになりました（苦笑）。一緒に暮らしていないからこそ、なんとなく祖父と孫みたいな少し遠慮があるけど甘やかされているといった感じですかね。それに母親に父親と会うことを隠さないで良かったのも気が楽でした。母親からは『寂しい老後の資金をあんまり使ってやるな』って注意を受けることはあっても会うなとは言われませんでしたから」

社会人になり、結婚式も両親揃って出席。そんな良好な関係の中、父親の二度目の裏切りが起こる。【～その２～に続きます】

取材・文／ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社２社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。