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お墓のお引っ越しを検討されたことはありますか? 「改葬」件数は年々増えており、厚生労働省の統計では、2009年度は72,050件、2018年度の改葬件数は115,384件と、10年間で約1.6倍まで増えています。しかし「改葬」は、すでにお墓や納骨堂に納めた遺骨を他のお墓や納骨堂へ移すことで、公的な手続きが必要です。

そこで仏事関連総合サービスの株式会社メモリアルアートの大野屋(http://www.ohnoya-cemetery.com)が「改葬」を行った方496名に引っ越しの理由や苦労した事、費用などについて調査をしました。

改葬を検討されている方は、どうぞご参考にしてください。

■ 改葬件数は10年間で1.6倍増加し、2018年は115,384件

厚生労働省『衛生行政報告例』では、改葬件数は、2000年には66,643万件、2009年は72,050件、2018年は115,384件と、10年間で約1.6倍まで増えています。近年、大野屋では下記2つの相談が増えているそうで、改葬の需要が高くなった要因でもあると考えられます。

・子供がいない、子供がいても女性のお子様だけ、男性のお子様がいても結婚していない(するかわからない)などの理由で「将来のお墓の継承」に関して見通しが分からずに不安を感じる方

・核家族化の影響で、お寺との付き合い方やお墓の維持管理に関する知識や習慣を日常的に次世代に継承することが困難になり、「お墓の継承」を子供たちの負担と考える親世代

この他、都心への転居によって故郷のお墓が遠くなった方、無縁墓(継承者や縁故者がいなくなってしまったお墓)とならないよう、次世代に継承する間際まで自分の近くでお墓を見守りたい方も増えています。ライフスタイルが多様化したため、お墓の管理・継承については家庭により考え方が異なります。

■ 引っ越し理由1位は「墓参りの身体的負担」、「次世代への継承」を気にする方も

引っ越しを考えた理由について質問したところ、「墓参りの身体的負担が大きい」が301件、「将来、子や孫にお墓の維持管理の負担をかけたくない」が267件、次いで「お墓を守ってくれる人がいなくなった」が117件という結果になりました。 「将来、子や孫にお墓の維持管理の負担をかけたくない」は今年の調査より追加した項目ですが、お墓の継承について見通しが立たない方、お墓の継承を子供たちの負担と考える方が増えたことが要因だと考えられます。

2008年・2014年の調査では、引っ越し理由の上位は「身体的負担」「遠さ」「出費」と、お墓の位置や金銭の外的要因が挙がりましたが、今後は「次世代」がキーワードになる可能性が高いです。

実際に移転先を選んだ理由は、「霊園の環境」が312件、「交通の便が良い」が303件と続きます。 お墓の引っ越しを行う方は、先祖供養を大切に考え、よりお参りや墓の維持管理をしやすい場所に移転しています。その結果、移転後のお墓参りの回数についても、約6割の方が「増加した」と回答しています。

■ 移転先は墓石の自由度と環境が整う「民間霊園」が1位、「遺骨のみ」の移転が6割

移転元は「寺院墓地」(167件)が最も多く、移転先は「宗教不問の民間霊園」(311件)が最も多い結果になりました。移転元の墓所は、古い時代に建立されたものが多く、その時代には寺院墓地や共同墓地と言われる地域に根付いた墓地形態が多かったことが要因です。移転先として最も多い「宗教不問の民間霊園」は、宗教不問で、広さや墓石の形の自由度も高く、施設・設備が環境が整備されているところが多いため、改葬に限らず新規に墓地を取得するケースでも最も人気の墓地形態です。

また、「何を移転させたか」を質問したところ、「遺骨のみ」が62%、次いで、「遺骨と墓石」が31%という結果になりました。特に両親や祖父母が墓石を建立した経緯を知る方は、墓石に対する思い入れが深く、引っ越しの際、遺骨と一緒に墓石も移転したいと希望することが多い傾向にあります。加えて、古い墓石を持ち込むことができる霊園は限られていたり、墓石の移転費用も高額になることも多いため、最終的には条件や費用を考慮する必要があります。

※永代供養墓:寺院や霊園が、契約者に代わって故人の遺骨を永代または一定の期間ご供養、管理するしくみのお墓で、「跡継ぎがいないために無縁墓として遺骨が処分される」ということがありません。一般墓地と比較して安価なところが多いようです。他の方の遺骨と一緒に埋葬される仕組みの場合、納骨後は遺骨を取り出すことができません。

樹木葬:墓石の代わりに樹木を墓標として、遺骨を地中に埋葬するしくみです。墓地管理者が永代供養をしてくれるものがほとんどです。

■「移転で苦労したこと」は、「行政手続き」「移転先の墓地選び」

移転を終えて実際に苦労したことは、「行政手続き」「移転先の墓地選び」「お寺との調整」の順に続きます。

郷里など、移転元墓地のある役所で手続きを行う必要があるため、苦労する方は多いようです。

また、「移転にあたって心配なこと」は「費用」「行政手続き」「業者選び」「遺骨の移動」「何からはじめるか」という結果になりました。改葬をする前は「費用」がやはり気になるものの、苦労したことと同様に、手続き関連も上位に挙がりました。

■ 移転費用は減少傾向、平均金額は275.2万円に

お墓の引っ越しにかかる費用については、移転先墓地形態が「一般墓地」の場合、平均「281.7万円」となりました。2014年調査の「299.5万円」から、17.8万円下がっています。主にその他費用(交通費や手続きにかかる費用)が下がっており、移転元費用(主に元のお墓の撤去工事)と、移転先費用(主に新しいお墓の取得費用)は大きく変化していません。また、2020年の改葬における全体の平均金額は275.2万円となりました。

この他、2020年の移転先墓地形態別の平均金額は、納骨堂:169.8万円、永代供養墓:145.2万円、樹木葬:138.9万円。納骨堂、永代供養墓、樹木葬は、一般的に新しいお墓の取得費用が一般墓と比べて安価な為、改葬費用全体も低い結果となりました。

■ 移転後はお墓参りの回数が増えた方が6割、回数は年間5回・12回が上位に

移転後のお墓参りの回数について質問したところ、「増えた」と回答した人が59%と6割の方がお墓参りの回数が増えたことが分かりました。(※8%は無回答)さらにその回数は年間5回が48人、12回が41人となりました。移転理由が「身体的負担」「交通の便」ということだったため、お墓の環境が改善されると、行く回数も増えるようです。

***

改葬の検討をされている方はご参考になったでしょうか? 実際に改葬した方たちのメリット・デメリットを決断する際の一つの参考にしてみてください。

期間:2020年4月22日~2020年5月31日
方法:郵送で質問票を送付し回答を回収
人数:496名
対象:2014年1月~2019年12月にメモリアルアートの大野屋でお墓の引っ越し(改葬)を行ったお客様(関東・関西)

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