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選評/林田直樹(音楽ジャーナリスト)

1966年スペイン東部カタルーニャ生まれのフラメンコ・ギタリスト、カニサレスの新しいアルバム『洞窟の神話』が出た。

カニサレスは、ロックやジャズ、クラシックまで幅広いジャンルとの共演の経験があり、近年はスペインの作曲家ファリャ、アルベニス、グラナドスの作品の編曲と演奏に大きな実績を残してきた。ラトル指揮ベルリン・フィルと「アランフェス協奏曲」を共演して話題になったのも記憶に新しい。

その彼が、久しぶりに自分のオリジナルな音楽に立ち返ったのが本作である。フラメンコの伝統を基盤としながらも、他ジャンルの経験を豊富に積んだからこそ次の段階に発展できた、新しいフラメンコの輝きがここにはある。

カニサレスのギターは、鍛えられ、引き締まったフラメンコ・ダンサーの肉体のように、美しくしなやかだ。リズムの切れ味は超一流。

ギターという楽器のもつ華麗さとセクシーさのひとつの極限といってもいい。これに魅了されずにいられるだろうか。

【今日の一枚】
『洞窟の神話』
カニサレス(フラメンコ・ギター)

2018年録音
発売/プランクトン
http://plankton.co.jp/canizares/CD.html
販売価格/2800円

文/林田直樹
音楽ジャーナリスト。1963年生まれ。慶應義塾大学卒業後、音楽之友社を経て独立。著書に『クラシック新定番100人100曲』他がある。『サライ』本誌ではCDレビュー欄「今月の3枚」の選盤および執筆を担当。インターネットラジオ曲「OTTAVA」(http://ottava.jp/)では音楽番組「OTTAVA Salone」のパーソナリティを務め、世界の最新の音楽情報から、歴史的な音源の紹介まで、クラシック音楽の奥深さを伝えている(毎週金18:00~22:00放送)

※この記事は『サライ』本誌2018年6月号のCDレビュー欄「今月の3枚」からの転載です。

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