字画も少なく、しょっちゅう⽬にする簡単な漢字。読めそうなのに、いざ声に出して読もうとすると、正しく読めるかどうか⼼配になって、思わず声を細めてしまう漢字ってありませんか? サライ世代ともなりますと、いったん思い込み認知をしておりますと、なかなかイニシャライズ(初期化)が難しいですよね。

簡単な漢字であっても、脳トレ漢字の動画を⾒ながら確認学習をしていただくことで、思い込み認知を改める機会になると思います。

「脳トレ漢字」第234回は、「均す」をご紹介します。「きんす」と読んでしまいそうですが、言葉自体は誰でも知っているのではないでしょうか? 実際に読み書きなどをしていただき、漢字への造詣を深めてみてください。

「均す」とは何とよむ?

「均す」の読み方をご存知でしょうか? 「きんす」ではなく……

正解は……
「ならす」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「高低・凹凸をなくして平らにする。」「平均する。」と説明されています。「地面を均す」「利益を均す」などのように使われ、「平ら」「平均」「水平」が主な類義語です。

「均す」は歴史の長い言葉の一つで、『万葉集』でも「平らにする」という意味で使われているそうです。

「均す」の漢字の由来は?

「均一」「均等」にも使われている、「均」。この漢字は、「土があまねく平らであること」を表しているとされ、「地面をならすこと」「等しくすること」という意味につながったのではないかと考えられます。

「奈良」の由来

「均す」と書いて、平らにする・平均するという意味の「ならす」と読むことが分かりました。皆さんは、奈良県の地名が「均す」に由来すると言われていることをご存知でしょうか? かつて文化の中心地として栄えた奈良ですが、その地名の由来には諸説あり、一説として「均す」という言葉に関連すると考えられているのです。

平城京が置かれていた付近は盆地になっており、周りを生駒山や金剛山が囲んでいます。そのため、山がちの険しい土地を住みやすくするために均したことから、「なら」という地名が生まれたと考えられているそうです。

真偽のほどは定かではありませんが、実際に日本各地で「奈良」が使われている地名が見られ、その多くが山や坂のある地域と言われています。そう考えると、「均す」に由来しているという説も一理あるように思えますね。

***

いかがでしたか? 今回の「均す」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 北海道には「北広島」や「新十津川」という地名がありますが、これは自分たちの故郷を忘れないようにと、開拓時代の移民によって名付けられたそうです。

自分の住んでいる都道府県や市町村の地名について調べてみるのも面白そうですね。

文/とよだまほ(京都メディアライン)
HP:https://kyotomedialine.com FB

参考資料/『デジタル大辞泉』(小学館)
『日本国語大辞典』(小学館)
『山川日本史小辞典』(山川出版社)

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2025年
2月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店