催し物

注目のクラシック・ピアニスト金子三勇士がブルーノート東京に登場【ジャズ・クラブでクラシックを】

2021/4/14

文／堀けいこ

ブルーノート東京と言えば、毎夜、世界中のジャズ・ミュージシャンが登場し続けてきたことで知られるジャズ・クラブ。そのステージに、4月16日、日本のクラシック界で注目を集めているピアニストの金子三勇士（かねこみゆじ）が登場する。ジャズ・クラブでクラシックのピアノ演奏が楽しめるなんて！これは興味津々だ。

“ジャズ・クラブでクラシックを楽しむ”というユニークなライヴ・スタイルは、「BLUE NOTE TOKYO meets CLASSIC」というタイトルでブルーノート東京が昨年末にスタートさせた新たな企画。その第2弾として登場するのがピアニスト金子三勇士。クラシックに親しんでいなくても、彼の名前を聞いて、おやっ、と思った人がいるかもしれない。

国内外での演奏活動の他に、NHK-FMの「リサイタル・パッシオ」のレギュラー司会者を務めたり、NHK-Eテレのクラシック音楽番組「ららら♪クラシック」にゲスト出演したりしているからだ。番組のトークでは、親しみやすい人柄をのぞかせて好評を得ている。

そんな風に、クラシック音楽を少しでも多くの人に身近に感じてほしいと、さまざまな場面で積極的に活動している彼のプロフィールを、少し詳しく紹介しておこう。

輝かしいキャリアと積極的な活動で日本のクラシック音楽シーンを牽引する

1989年、日本人の父とハンガリー人の母の間に生まれた金子は、6歳で単身ハンガリーに渡り、バルトーク音楽小学校に入学。2001年、11歳でハンガリー国立リスト音楽院大学に飛び級で入学。2006年、同校の全課程取得とともに帰国し、東京音楽大学付属高等学校に編入。同大学に進学の後、ピアノ演奏家コースを首席で卒業。同校大学院の器楽専攻鍵盤楽器研究領域も修了している。

その間、2008年のバルトーク国際ピアノコンクール優勝をはじめ、数々の国際コンクールで優勝。国内での受賞歴も、2012年の第22回出光音楽賞など数多い。演奏活動では、ソロの他に、小林研一郎指揮/読売日本交響楽団、ゾルタン・コチシュ指揮/ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団など、世界的な指揮者・オーケストラとも共演を重ねている。

レコーディング活動では、2010年にデビュー・アルバム『プレイズ・リスト』をリリース。同盤はレコード芸術誌の特選盤に選出。以降も着実にキャリアを築いている。

特別に用意された名器でどんな音を奏でてくれるのか、期待に胸が膨らむ

こうして日本のクラシック音楽シーンを牽引している金子は、ブルーノート東京での公演にも意欲的。ステージごとに趣向を変えたセットリストを用意するという。この日のために新たにアレンジされた名曲や初挑戦のナンバーなどの演奏も期待できる。

ところで、これまでブルーノート東京のステージに登場した世界的ピアニストは、それぞれ、自身の気に入った名器を指定したうえで演奏を披露している。ハービー・ハンコックはイタリアの「ファティオリ」を、チック・コリアは「YAMAHA CFX」を、という風に。

そして今回、スタンウェイ・アーティストである金子三勇士のために特別に用意されるのは、「スタンウェイ Model-D」。世界中のピアニストの圧倒的支持を集めるコンサートグランドピアノの頂点とも言うべき同器が、金子三勇士の演奏によって、どんな音を奏でてくれるのか。一夜限りの特別な音楽の世界に酔いしれたい。