東京駅にほど近い京橋で長く親しまれてきたブリヂストン美術館が、アーティゾン美術館と改称して、本年1月に新しく開館しました。

アーティゾンの名称は、アートとホライズン(地平)を組み合わせた造語で、美術の多様な楽しみを提供していくという意味が込められています。
4階展示室「石橋財団コレクション選」の一角に設けられた「特集コーナー展示」では毎回異なるテーマによるコレクション展示が行われますが、今回は、新収蔵となったパウル・クレーの作品を公開しています。(10月25日まで)

パウル・クレー《庭の幻影》1925年 油彩・厚紙(木枠に貼付)
石橋財団アーティゾン美術館蔵

本展の見どころを、アーティゾン美術館の学芸員、島本英明さんにうかがいました。

パウル・クレー《小さな抽象的-建設的油彩(黄色と青色の球形のある)》1915年 油彩・厚紙 石橋財団アーティゾン美術館蔵

「2019年、石橋財団アーティゾン美術館は、20世紀前半を代表するスイス生まれの画家、パウル・クレー(1879-1940)の計24点の作品を収蔵しました。当館では、1958年に国内で初めてとされるクレー展を開催しているほか、《島》(1932年)をはじめとする3点のクレー作品を収蔵し、コレクションの重要な要素と位置づけてきました。

パウル・クレー《ストロベリーハウスの建築工事》1921年 油彩・厚紙 
石橋財団アーティゾン美術館蔵

今回の新収蔵をもって、当館のクレー・コレクションは計27点となり、その画業の重要な局面を跡づけることが可能になったとともに、カンディンスキーやグロッス作品とあわせて、戦間期のドイツ美術の様相をうかがうことができるようになった点に、きわめて大きな意義を見出しています。
本展示は計25点の展観により、このコレクションを初めてご紹介するものです」

パウル・クレー《羊飼い》1929年 油彩・カンヴァス(合板に貼付)
石橋財団アーティゾン美術館蔵

クレー・ファンには見逃せない展覧会です。ぜひ会場に足をお運びください。

パウル・クレー《谷間の花》1938年 水彩・綿布( 板に貼付 )
石橋財団アーティゾン美術館蔵

【開催要項】
石橋財団コレクション選 新収蔵作品特別展示:パウル・クレー 
会期:6月23日(火)~10月25日(日)
会場:アーティゾン美術館 4階展示室 
住所:東京都中央区京橋1-7-2
電話番号:03・5777・8600(ハローダイヤル)
https://www.artizon.museum
開館時間:10時から18時まで(入館は閉館30分前まで)当面は金曜日の夜間開館なし
休館日:月曜日(ただし8月10日、9月21日は開館)、8月11日(火)、9月23日(水)
※日時指定制
※下記展覧会も同時開催中
〇ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり(6階展示室)
〇第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展「Cosmo‐Eggs|宇宙の卵」(5階展示室)
〇石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 印象派の女性画家たち(4階展示室)

取材・文/池田充枝

 

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