マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」が、ビジネスの最前線の問題を解説するシリーズ。

会社を公正公平に経営し、社員の成長が会社の成長に直結するような環境を作るためには、評価制度がなくてはならないものです。実際に、評価制度が業績や優秀な人材の確保に大きな影響を与えてきた事例をたくさん目にしてきました。ただし、その「大きな影響の事例」はプラスもあればマイナスもあり、マイナスの場合、業績の悪化や優秀な人材の離脱が発生してしまったという事例があることも事実です。

せっかく作った評価制度でも、作り方や運用方法を間違えると大きなリスクとなってしまうのです。今回は、評価制度について、絶対に間違えてはいけない重要なポイントを詳しく解説します。

評価制度の本来の機能とは

評価制度の間違いについて論じる前に、評価制度が持つべき本来の機能について整理してみましょう。

評価制度は会社として勝利を目指すための道具です。評価者の求めることが被評価者に正しく認識され、評価者の求めることをできたかどうかで被評価者が公正公平に評価され、個人が業務に集中し、個人も組織も成長する可能性が高まるという機能が求められます。

評価制度の間違いポイント

当然、どの評価制度も上記のような目的で構築されているはずなのですが、目的が果たされないとお悩みの経営者や管理職の方々は多いのではないでしょうか。

それは、評価制度の作り方や運用方法の間違いが原因です。

そこで、評価制度の作り方と運用方法に分けて、押さえるべき間違いポイントをご紹介しますので、自社の評価制度にいくつの間違いがあるか、チェックしてみてください。

評価制度「作成時」の間違い

1.評価項目が多すぎる

やるべきことが絞れず、本来の機能である「集中」することができません。また、シンプルに覚えることができないため、評価者も被評価者も、「評価のタイミングにならないと評価項目を確認しない」といった本末転倒な状態を招いてしまいます。

2.個人実績だけが評価される

「自分さえよければそれでOK」となり、蹴落とし合いや、情報や顧客の囲い込みなどが起きるなど、チームへの貢献が意識されなくなります。また、部門間や個人間で利益相反が起き、ある個人や部門の評価獲得によってほかの社員や部門のパフォーマンスが阻害されるという問題が起きる可能性も高まります。

3.管理職の個人実績が評価されている

管理職のチーム実績に対する意識が低くなります。チームの達成よりも自分の達成に注力したり、部下を育成しなくなったりする可能性が高まります。

4.評価基準があいまい

被評価者ができたのかできていないのかが不明確なため、集中できません。評価者によって評価基準に差が出るため、被評価者は主観的で不公平な評価をされていると認識し、評価制度や上司や会社に不満を持つ可能性が高まります。プロセスが評価されると錯覚し、言い訳やアピールに注力するケースも多いです。

5.評価者が複数存在(二次評価者など)する

本来評価すべき直上司が無責化します。また、部下が直上司を評価者として認識しなくなり、管理できなくなる可能性が高まります。上記4の評価基準があいまいであるために複数の評価者が必要になるというケースも多く、注意が必要です。

6.自己評価させている

「評価は他者が決める」という事実が認識できなくなります。また、評価者と被評価者の評価にズレが発生し、評価に不満を持つ可能性が高まります。これも5と同様、4が原因になっているケースが多いです。

7.マイナス評価がない

被評価者が「達成できなくても許される」と認識します。「達成できたらラッキー」という環境になるため、達成の可能性は低くなります。未達成者が守られ、組織が一部の優秀な人材に依存している状態になるため、優秀な人材の離職が起きる可能性が高まります。

評価制度「運用時」の間違い

8.意識されていない

制度構築した意味がない状態です。自社の社員に、ランダムに「あなたの評価項目はなんですか?」と質問してみてください。答えられなかったり間違ったりしていたら評価制度は機能していないといえるでしょう。

9.管理されていない

管理されていないと意識もされず、達成の可能性は下がります。また、達成が部下任せになり、リーダーがリーダーとして成長できません。評価制度は、上司が部下を管理するための大きな武器でもあるのです。

10.見直しがされていない

形骸化する可能性が高まります。環境は常に変化しており、求めることも変化するはずですが、制度自体の見直しがされないと意識もされなくなり、環境の変化に対応できない組織になってしまいます。

まとめ

さて、あなたの会社の評価制度はいくつ当てはまりましたでしょうか? ひとつでも当てはまれば評価制度が機能していない可能性があります。

しかし、悲観する必要はありません。上記10のとおり、制度に不足があるのであれば見直せばいいのです。むしろ、不足があるのに現在の業績ということは、修正すれば上がる可能性があるということです。

評価制度に課題を感じている会社は非常に多いです。また、自社の評価制度に不満を持っている社員も非常に多いものです。確かにそれは事実なのですが、果たしてそれでいいのでしょうか。もう一度、繰り返します。制度に不足があるのであれば見直せばいいのです。評価制度や個人や会社に課題があることが問題ではなく、そのまま運用されていることが問題なのです。

見直し方や作り方がわからなければ、株式会社識学にいつでもご相談ください。

識学総研:https://souken.shikigaku.jp
株式会社識学:https://corp.shikigaku.jp/

 

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