取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った芽依さん(仮名・32歳)は、29歳の時に職場で出会った男性と結婚、現在は1歳を迎える子どもとともに都内で暮らしています。芽依さんは東京に来て1年に満たない時期に結婚、交際期間は7か月のスピード婚でした。
「結婚を決めたのは、プロポーズに断る理由がなかったから。それまでは一度もケンカをしたこともなかったし、なんとなく2人のペースが一緒で居心地が良かったんです。義父は少しとっつきにくかったんですが、義母は優しくて天然の部分もありかわいくて、すごく親しみやすい人だったから、本当にいい人と出会えたなって思っていました」
共働きも家事のほとんどを担当。それは他人だった人と暮らすための歩み寄りだった
結婚後も旦那さまと同じ会社で働き続けた芽依さんですが、部署は電話営業がメインの部署に異動することになります。その結果、旦那さまよりも時間に余裕ができた芽依さんが家事のほとんどを担うことになりますが、それについて文句もなかったと言います。
「電話営業は新規ではなく既存客に向けてのもので、私は営業事務みたいな作業も増えて、バックオフィスの業務がメインになりました。だからそこまで残業もなくなって、夫とは違って定時や少しの残業で帰れる日がほとんど。それに夫の仕事の忙しさは知っていたから、私が家事を多く負担することは当然だと思いました。関西で働いていた時から一人暮らしをしていて家事も苦じゃなかったですし。
それに、初めて家族以外の人と暮らすということで、頑張って歩み寄らなければという思いが強かった。元他人と一緒に生活をしていくんですから」
2人は、1年間は妊活をせずに結婚2年目よりスタート。そして、その5か月後には妊娠が発覚して、会社を退職する道を選択します。
「転勤後に慣れたところで結婚して部署移動、そして妊娠ですから。産休で残ることもできたんですけど、周りから言われたわけじゃないけど少なからず私の行動を良く思っていない人たちもいるわけですからね……。そこまでこの仕事に執着があるわけじゃなかったし、初めての妊娠に備えたい思いもあったので、退職を選択しました」
【子どもが生まれた後も生活のペースを変えない夫。次ページに続きます】