「Brilliant60s=輝ける60代」 2,000人に聞いた「シニアのリアル調査」結果より「お盆玉」認知度41.5%と初の40%突破!
少子化を反映し、シックスポケット(こどもに対して両親とその両祖母の6人の財布からお金が使われること)といった言葉もある昨今。株式会社あおぞら銀行が全国の55~74歳の男女約2,000名を対象にした「シニアのリアル調査」から、シニア世代の子や孫への出資の実態や意識をご紹介しよう。
* * *
1.お盆のお小遣い「お盆玉」の認知度41.5%。調査開始の2016年から右肩上がりに上昇
質問: 「お盆玉」という言葉を知っているか?
「お盆玉」(※お盆の時期に、子や孫にあげるお小遣いのこと)という言葉を知っているかの質問に、知っていると答えたのは41.5%(男性35.3%/女性47.3%)と前年より4.3ポイント増加。2016年の調査開始以降、毎年上昇しており、今年は41.5%と初めて4割を超えた(【図1】参照)。
「『お盆玉』を知っていて、実際に『お盆玉』をあげたことがある」と答えたシニアは7.7%で、「『お盆玉』という言葉は知らないが、お盆の時期に子や孫にお小遣いをあげたことがある」と答えたシニア6.9%を含めると、今どきシニアの14.6%が「お盆玉」をあげたことになる。
・「お盆玉」を知っている:41.5% 「知っていて、あげたことがある+知っているが、あげたことはない」
・「お盆玉」を知らない :58.5% 「知らないが、あげたことがある+知らないし、あげたこともない」
「男女別では、今年もこれまでと同じく女性シニアの認知度(47.3%)が男性シニア(35.3%)を上回り、その差が今年は12ポイントと更に広がった。(【図2】参照)。
「お盆玉」をあげるシニアの平均額は6,100円。関東の方が関西に比べて400円高い
質問: 「お盆玉」をひとりあたり、いくらくらいあげる予定か?
今年「お盆玉」をあげる予定の人は43.2%と前年から9.7ポイントも増加した。予定金額(子や孫がいるシニアを対象/「0円」という回答を除いた平均金額)は6,100円で前年の5,800円から300円増加した。金額の分布を見ると、前年同様「5千円~1万円未満」が38.4%と最も多く、「1万円~1.5万円未満」は前年より2.5ポイント増加の32.0%となった(【図3】参照)。
「お盆玉」の平均額を男女で比べると、男性が前年の5,800円から6,300円に増額する一方、女性は前年の5,900円と同額で、調査開始からこれまでで男女差が最も開いた(【図4】参照)。
・全体平均予算(55歳~74歳):6,100円(前年比300円増)
・男性平均予算(55歳~74歳):6,300円(前年比500円増)
・女性平均予算(55歳~74歳):5,900円(前年同額)
関東と関西を比べると、いずれも前年から増額。関東が関西より高い傾向が続いている(【図5】参照)。
・関東平均(東京、神奈川、埼玉、千葉):6,500円(前年比200円増)
・関西平均(大阪、京都、兵庫、奈良) :6,100円(前年比300円増)
2.今どきシニア、4割以上が帰省してくる子や孫の交通費を負担
負担する交通費は平均29,700円、帰省中の支援額(交通費以外)は平均43,700円
質問: 子や孫が帰省してくる時に交通費を負担しているか?
「帰省してくる子や孫がいる」と答えた割合は65.3%(前年比0.9ポイント増)。そのうち、子や孫が帰省する時に交通費を負担している「負担派」シニアは44.4%(前年比2.7ポイント減)と約4割が負担しているという結果になった。「負担派」の割合は調査開始以来最も低くなった。(【図6】参照)。
・負担派 :44.4%(前年比2.7ポイント減) 「いつも負担している+たまに負担している」
・非負担派 :55.6% (前年比2.7ポイント増) 「負担していない」
帰省の交通費「負担派シニア」の平均は29,700円。初めて3万円台を割る
質問: 子や孫の帰省時に交通費をいくら負担しているか?
「負担派」シニアひとりあたり、子や孫が帰省する時に負担している交通費の平均は29,700円。
前年の30,100円から400円減額し、調査を開始して初めて30,000円を下回った(【図7】参照)。
男女別では、男性の平均が28,200円に対し女性30,800円。前年に比べ男女とも同額減ったので、女性の方が男性よりも平均で2,600円多く負担している状況は前年と変わらなかった(【図8】参照)。
・全体平均予算 :29,700円(前年比400円減)
・男性平均予算 :28,200円(前年比500円減)
・女性平均予算 :30,800円(前年比500円減)
帰省中も子や孫へは負担を惜しまないものの微減傾向。その額平均43,700円
前年に比べ男性は増額、女性は減額し男女差が縮まる
質問: 子や孫の帰省時の交通費以外の負担額は?
「今年、子どもや孫が帰省するシニア」について、子や孫の帰省時に使う予算(交通費以外)は平均43,700円。
前年から800円減少し、2016年をピークに年々減少している (【図9】参照)。
男女別では、男性が前年から2,300円増額した40,300円と4万円台に回復。一方女性は前年から3,100円低下し46,700円となったため、男女シニアの金額差は6,400円へと狭まった(【図10】参照)。
・全体平均予算 :43,700円(前年比 800円減)
・男性平均予算 :40,300円(前年比2,300円増)
・女性平均予算 :46,700円(前年比3,100円減)
3.子や孫と一緒の海外旅行に平均439,600円、前年に比べ5万円以上減
旅行費用は、同行者に関わらず、すべて前年から減額傾向
質問:海外の旅行についてあなたが普段使う平均的な金額は?
海外旅行の費用について一緒に行く相手をタイプ別に聞いたところ、その平均金額は「子供や孫との旅」が439,600円と最も高いものの、前年から53,300円減額。「夫婦だけの旅」382,100円(前年比14,800円減)、「友人との旅」200,200円(前年比6,800円減)、「一人旅」195,800円(前年比2,800円減)と、海外旅行の費用は全てのパターンで前年比減額となった(【図11】参照)。
* * *
「お盆玉」という言葉の認知度も4割以上となり、お正月のお年玉と同様、お盆時期の帰省時に孫に渡す、というパターンが徐々に一般的になりつつあるようだ。また、帰省時や孫と一緒の海外旅行の費用も負担するなど、孫にはお金を使うシニア世代が多いことがこの調査からも明らかになった。
あおぞら銀行 「シニアのリアル調査」 2019
【調査目的】
シニアの方々の暮らしぶり・老後の意識・資産運用・旅行や外食・趣味・お子さまやお孫さまについてなど、様々な視点からお金に関連する実態やその意識を調べる。
【調査対象者】
全国55~74歳の男女 合計2,071人
【調査内容】
インターネット調査 2019年6月7日(金)~2019年6月8日(土)実施
【金融資産背景】
当調査対象者の平均金融資産額:50代後半1,687万円、60代1,949万円、70代前半1,932万円
一般(二人以上の世帯)の平均金融資産額(*):50代1,828万円、60代2,415万円、70歳以上2,565万円
(*)出典:2018年金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」調べ